オンリーワンだから売れた！ ヒット商品誕生への道
オンリーワンだから売れた!!
担当者が語るヒット商品誕生への道
今年のヒット商品のキーワードのひとつが“オンリーワン”。ほかにはない機能でヒットした商品の担当者に、成功への道を聞いた！
ゲーム機を高速レスポンスの地デジレコーダーに変えた！
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コンパクトユーザーを取り込んだ絶妙なサイズ感＆メニュー
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爽快なお風呂剃りで電気シェーバー市場をリード
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キャップ付き一体型で“電動”ランチ磨きを提案
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1度使うと戻れない次世代通信の高速性！
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WiFi対応機が5台同時に接続できる
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%26gt;%26gt;ゲーム機を高速レスポンスの地デジチューナーに！
オンリーワンだから売れた!!
担当者が語るヒット商品誕生への道
9980円
幅100×高さ24×奥行き112mm、約130g。地上デジタル放送の視聴・録画、へのデータ書き出しなどができる専用の地上デジタルレコーダーキット。
問い合わせ先/ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン TEL:0570・000・929
%26gt;%26gt;ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン公式ウェブサイト
3月に発売され、いまだに品薄状態が続くは、シンプルな機能とレコーダーの常識を覆す操作感覚で人気を集めた。
「当初、社内でも興味が薄かったのですが、触った人はみんなが欲しがった。これまでの家電の操作感覚がストレスになるぐらい、気持ちよく動かせることが評価されたんですね」
操作感覚の気持ちよさは、ゲーム制作のノウハウから生まれた。
「最初からゲームアプリのつもりで開発し、番組表などの表示は秒間60フレームというゲームと同じ処理スピードです。このなめらかな表現は、だから実現した操作感覚です」
開発が本格スタートしたのは昨年3月頃。短い期間でらしさを追求したことが、独自のコンセプトにつながった。
「今後はアップデートで機能を追加しますが、いろいろできればいいというのではなく、おもしろいポイントがブレないように進化させていきたいです」
画面デザインは、試作段階から家電ではなくゲームがコンセプトだった。インタラクティブな楽しさを表現した、ポップで動きのあるものも考案されたが、最終的にはシンプルなデザインが採用された。
操作画面のコンセプトアートの一部。地デジレコーダーの操作画面とは思えないデザインだが、ここから試行錯誤して使いやすさを実現した。
ネットワーク専用で地域単位の視聴情報を共有する「トルミル」情報は、何人のユーザーがその番組を録画・視聴しているかわかる。ユーザーの録画動向が数字でわかる「トルミル」機能や視聴しながらネット検索ができる「見ながらネット」機能も人気の要因。期待度が高い番組がわかる「トルミル」は、視聴率とは違う、リアルな人気番組がチェックできる。
ソフトウェアプラットフォーム開発部 石塚健作さん
商品企画部 渋谷清人さん
JAPANスタジオ制作部 西沢 学さん
プロジェクトの取りまとめ役は渋谷さん。内部プログラムを石塚さんが担当し、ソフトのディレクションを西沢さんが手がけた。
%26gt;%26gt;コンパクトユーザーを取り込んだミラーレス機
オンリーワンだから売れた!!
担当者が語るヒット商品誕生への道
※4月の販売台数構成比37.9％でマイクロフォーサーズ機1位
オープン価格
画素数＝1230万画素。液晶サイズ＝2.7型。手ブレ補正機能＝本体内蔵センサーシフト式。最高感度＝ISO3200。幅114.6×高さ72.2×奥行き41.5mm、約344g。レンズ＝M.ZUIKO DIGITALED 14-42mm F3.5-5.6 L。
問い合わせ先/オリンパスイメージング TEL:0120・084215
%26gt;%26gt;オリンパスイメージング公式ウェブサイト
ニコンとキヤノンの2強だった一眼レフ市場にクサビを打ち込んでいるミラーレス機。今年の注目は、昨年大ヒットしたの新モデルだ。登場翌月に販売台数構成比37.9％でミラーレス機の1位に躍り出ている。
「コンパクトから一眼に踏み出せないユーザーを狙い、さらに親しみやすいデザインと操作性を追求しました」
コンパクトユーザーの20％は、コンパクトはもの足りないが、一眼レフは難しそう、重そう、大きそう、とためらっていることが調査で判明。シリーズは、そのためらっている層を狙い、軽量で明るいカラーのコンパクトボディーを設計し、ゴツゴツして黒い一眼レフのイメージを払拭した。
はさらに小型化して、専門用語を知らなくても絞りなどが使えるライブガイドを初搭載。ダイヤル数も減らし、よりコンパクトのような操作性を実現。昨年のでもまだ踏み出せなかった層を獲得するのに成功した。
「ボディーカラーは8色で検討して、最後に5色に絞りました。今回は色の統一感よりも、それぞれの色に意味を持たせています」。写真右は初期のデザインサンプルで、の面影を感じる。
「ライブガイドはオートでしか撮らない方へのご提案です。画面上のスライダーで明るさや背景のボケを変え、写真が変わる楽しさを知ってもらうのが狙いです」
小さなボディーはがルーツ。設計者の米谷美久氏の言葉「どこにでもあり、誰でも使えるカメラ」にあるという。50年前の銀塩コンパクトカメラのコンセプトが受け継がれていたのだ。
SLR商品企画部 折原直人氏
デザインセンター 神永知美氏
デザインセンター 鯛中大輔氏
「どんな時も、いい写真を撮ってもらいたくて作ったカメラです。主張しすぎず生活に溶け込むデザインを作り込みました」
%26gt;%26gt;爽快なお風呂剃りで電気シェーバー市場をリード
オンリーワンだから売れた!!
担当者が語るヒット商品誕生への道
実勢価格約1万1000円
防水の充電式3枚刃シェーバー。刃面が肌に密着しやさしく深剃り。リニアモーター高速駆動や30度鋭角ナノエッジ刃で濃いヒゲも残さず剃れる。色は黒・白・赤。幅6.4×高さ15.3×奥行き4.7cm、約160g。
問い合わせ先/パナソニック TEL:0120・878・365
%26gt;%26gt;パナソニック公式ウェブサイト
若者に電気シェーバーを使ってほしいと強く思ったのが開発のきっかけと語るのは主事の久保さん。
「お風呂で剃れることをトリガーに、若いユーザーへ訴求。デザインや色を従来イメージから一新し、価格も手頃にしました」
高い防水性能、剃り味のよさを店頭で訴求したことも功を奏した。
「ご購入者から電気シェーバーはこんなに剃れるのかという声が数多くいただけたことも収穫でした」
一製品のヒットが電気シェーバー文化のリードへつながった。
内刃の刃先を鋭角にした剃り心地抜群の「30°鋭角ナノエッジ刃」も主要機能のひとつ。
この技術をわかりやすくするため拡大模型を設置。よく剃れる仕組みを紹介した。
お風呂剃り、スベ肌、爽快感を亀梨和也さんを起用してアピール。女性が男性に商品を強く勧める、シェーバーには珍しい現象も。
30～50代は電気シェーバー派が5割を超えるが、20代では半数以上がT字カミソリ派。若者が好むお風呂剃りや泡で剃る爽快感を電気シェーバーでダイレクトに訴求した。
パナソニック アプライアンス・ウェルネス
マーケティング本部 主事 久保清英さん
「お風呂剃りを通じて、若い世代の電気シェーバーに対するイメージが変わりました。みんなが持ちたいアイテムにしていきたいですね」
%26gt;%26gt;キャップ付き一体型で“電動”ランチ磨きを提案
オンリーワンだから売れた!!
担当者が語るヒット商品誕生への道
実勢価格約3980円
コンパクト電動歯ブラシ。1万6000音波振動/分により短時間で歯がツルツルに。約51dBの静音も実現。単4乾電池1本使用。幅1.8×高さ16×奥行き2cm、約45g。
問い合わせ先/パナソニック TEL:0120・878・365
%26gt;%26gt;パナソニック公式ウェブサイト
電動歯ブラシ利用者でも、ランチ後の歯磨きに選ぶのは大半が手磨きタイプ。このデータが商品開発のヒントになったという。
「重い、かさばる、音が大きいという理由で外出先での使用は敬遠されていました。この不満の払拭がヒットにつながったと思います」とは商品チームの石橋さん。「ポーチに入る本体一体型キャップ付きデザインも好評で、発表後から問い合わせが殺到しました」
ランチ磨きという新しい流行を生むきっかけにもなった。
開発陣の間で議論が白熱したのは色。白い試作機を使い数十色のサンプルが製作された。商品化された5色を並べるとグラデーションになるこだわりも。
女性の66％が昼食後に歯磨きをしているが、電動歯ブラシ利用は1.2％。この数字からランチ磨き市場があることを確信したという。
パナソニック アプライアンス・ウェルネス
マーケティング本部 石橋絵里さん
「本体一体型でキャップの付いた電動歯ブラシはこの製品が初めて。こんなタイプが欲しかったというニーズとうまく合致しました」
%26gt;%26gt;1度使うと戻れない次世代通信の高速性！
オンリーワンだから売れた!!
担当者が語るヒット商品誕生への道
1万2800円
IEEE標準規格802.16eをもとに規格化された高速ワイヤレスインターネット。国内最小のUSBスティックタイプデバイスで使える。幅27×高さ11×奥行き62mm、18g。
問い合わせ先/UQ TEL:0120・929・818
%26gt;%26gt;UQ公式ウェブサイト
サービス開始1年。順調に加入者数を伸ばした背景には、一連のユニークなCMが大きく貢献している。販売促進部の西山さんは、「当初は無名に等しかった会社名やサービスの認知度が関東圏で65％まで高まりました。UQはおもしろいことをする企業というイメージも切り拓けました」と説明する。3Gを超える高速性やWiMAX搭載PCの普及といった特徴を、CMからさらりと発信する点も巧い。今後はサービスの理解促進を徹底しさらなる飛躍を目指す。
光沢のあるシルバーを採用。傷がつきやすいがイメージを優先し採用を英断した。
約20種のサンプルから色を決定。次世代製品の先進性をメタリックシルバーで表現。
UQの知名度を一気に高めたおなじみのCM。ホームビデオによる撮影や、YouTube動画をそのまま使うなど、従来のCMの常識を破る発想を取り入れ大きな話題となった。
UQコミュニケーションズ
デバイス 推進部長 前島勲さん
「当社のWiMAX回線を利用する通信サービス業者を通じて機器の広がりを目指します」
同・販売促進部 販売促進
グループマネージャー 西山暢一さん
「UQらしさを生かした差別化戦略でWiMAXサービスを普及させたいですね」
%26gt;%26gt;WiFi対応機が5台同時に接続できる
オンリーワンだから売れた!!
担当者が語るヒット商品誕生への道
初期費用5980円
最大5台までWiFi対応機器を同時接続できるモバイルルーター。最大4時間の連続通信が可能。MicroSDカードに対応する。幅95.5×高さ48.6×奥行き14.1mm、約80g。
問い合わせ先/イー・モバイル TEL:0120・736・157
%26gt;%26gt;イー・モバイル公式ウェブサイト
「中国・ファーウェイ社で開発中だったPocketWiFiのベース機を一目見て、これはイケると直感しました。1台で様々なWiFi対応機器につながるうえ、使える場所も一気に広がる。GUIや本体デザインを日本向けに変え、約1年後の昨年11月に発売しました。直後から歓喜の声をたくさんいただきました」と、ヒットの予兆を語るのは商品企画部の加藤さん。
「量販店では携帯電話売り場だけではなく、携帯ゲーム機など複数の売り場で露出されたこともヒットに結びついたと考えています」
WiFi対応機が増え続けるだけに今後も勢いは続きそうだ。
現在世界で展開するファーウェイ社の製品。日本仕様とは液晶の表示や形状が異なる。イー・モバイル版の評価は高く他国で採用する動きもある。
オリジナルにある縁取りをやめ、未来感のあるプレーンに変更。色のキメも細かくなった。
発表当時の企画書。1台あれば、どこにいてもゲーム機やデジカメなど最大5台のWiFi対応機器とつながる点が強調されている。
イー・モバイル
商品企画部 商品企画グループ 課長 加藤一郎さん
「今後は通信速度のアップを実現させ、PocketWiFi発表時同様の通信革命を、再び市場に起こしていきたいですね」
