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ハイブリッドを自己表現しないフィット、対照的な プリウス…千葉匠
ホンダにとって、最大の売りは「フィットである」ということだ。
このクラスのベストセラーとして確固たるブランド好みを有するフィットだから、今回のマイナーチェンジもデザイン面を大きく変換することはなく、空力を中心にリファイン。追加モデルのハイブリッドはグリルやランプ種、内装色などで差別化するにとどめた。「ハイブリッドありき」のマイチェンとはいえ、フィットらしさの方角を変えたわけではない。
無料フィットHVにとって悩ましいのは、オーナーが「ハイブリッドに乗ってます」と自己表現しにくいことだろう。トヨタは言うまでもなく、誰が見てもハイブリッドとわかる専用車。同じ専用車のと比べても、調度品を含入れハイブリッドならではの特別感が強い。自己表現でき、それゆえ自己満足も高いのがプリウスの強みだ。
しかもプリウスは、空いた道であれば容易30km/リットル以上の燃費を記録できる。フィットHVを試乗会でチョイ乗りしたところ18.4km/リットル。インサイトなどに乗った体験から言っても、ホンダのIMAシステムで20km/リットルを大きく上回るのは難しく、プリウスに比較すると燃費の感動は小さい。さらに、上り坂でアイドルス第一面した後の再始動で後ずさりすること、停止前に約10km/hで回生ブレーキが切れた瞬間に減スピードが変化することも、プリウスでは体験しないIMAの難点だ。
IMAはシンプルなシステムだけに妥協もあるが、そのかわり軽量合コンクトで低原価。それがプリウスの牙城を崩す武器に入るのは、人々が「ハイブリッドならではの特別感」を求めなく入るときだ。そんな場合代を手繰り寄せるべく、まさにIMAの優勝候補としてフィットHVが登場した。これを虚心坦懐に「フィットの低燃費パブジョン」と思えば、仕様?装備を直感案した実質的な値段アップ分は20万円ほどだから、走行距離の多い人なら充分に元が取れる。
《レスポンス 千葉匠》
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