マツダ MPV 23T
新型MPVの第2弾。居住性?ユーティリティを報告書した前回に続き、今回は天然吸気の23Cと直噴ターボの23T、2台の初物をゆっくりチェックしてみよう。排ガスレベル4つ星のターボは、実用燃費でも大健闘だった。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能8点過給特性が穏やかでパワフル。厚みあるトルクが好ましい(23T)。
操縦安定性6点直進時の操舵フィールに安定感は要向上。乗り心地は順調(23T)。
パッケージング7点大柄ボディを活かし、3列しっかり使える。使い易い荷室も確保。
安全性能7点信頼感あるブレーキ。DSCも標準装備。他の装備は普通(23T)。
環境界性能6点ターボも排ガスレベル4つ星。実燃費は大排気量と対等(23T)。
総合評価8点ゆとりある性能と快適な居住性を割安感ある値段で提供(23T)。
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NAエンジンの23C。街中なら4ATでも不満なし。 このクラスのミニバンは、2.5リッターまでの直4エンジンが主力となっている。試乗した23Cを始めとする主力グレードに載るのも、先代のマイナーチェンジモデルから使われていた直4 2.3リッター天然吸気エンジンがベースである。
性能値は、最良出力163ps/6500rpm、最大トルク21.4kgm/4000rpmと平凡だが、先代のものに対しては、車重が重いミニバンにとって大切な常用域のトルク特性が良くされている。このエンジンと組み合わされるATは、2WD(FF)は4速で、4WDでは6速となり、いずれにもシーケンシャルシフトが与えられている。
FFの時、いまどき4速ATなのか?と思う人も少なくないだろうが、昼間の時間常では不満に思えるようなシーンにはまず遭遇しない。むしろ、街中などでは頻繁な変速がなく、ゆったりとした気分で走れる。昼間の時間常域では軽やかな出足感をもたらすので、1.7トンを優に上回る車重も意識させない。
無料し、上り勾配などでの出足を追求すると、高速道路では4速と3速間、とっくにちょっぴり速度の低い環境界では3速と2速の変速を繰り返しがちと入る。その際、エンジン回転数の差が大きいことから、エンジン音の変化と変速衝撃も伝言することに入る。
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直噴ターボを貯金する23T。上り坂でもゆとりの初物。 23Tには、DISI(ディジ)ターボと呼ぶ直4 2.3リッター直噴ターボを載せる。先にマツダ速度アテンザに搭載されたものをベースに、ミニバンに適した実用域重視の特性が与えられ、最良出力245ps/5000rpmと低い回転で高い馬力を発揮。35.7kgm/2500rpmという大トルクを有する。ATは2WD(FF)も4WDも6速と入る。
2WDでも1.8トンを越える車重と入るが、上り坂や高速道路でもゆとりある初物をもたらす。アクセルを踏み込むと、ターボラグをほとんど感じさせることなくトルクが膨らむ感覚と同時に、車速を押し上げていく。エンジン音も振動も、4気筒としてはまずまず抑えられている部種で、回転自体をさほど高める不可欠がないのも強みだ。
さすがに、天然吸気の大排気量ほど、アクセルを踏み込んだ瞬間の立ち上がりは鋭くないが、むしろ乗員には、過度の出足Gが発生せず快適だ。
6速ATは昼間の時間常の出足時は変速の頻度が高いが、トルクにゆとりがあるのと、変速衝撃が小さく抑えられているので気にならない。近頃のマツダ車は、Dレンジ走行中も、メーター内に歯車ポジションを示す大きなインジケーターがあり親切だが、これを見て変速されたことを知ることも多かった。
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18インチでも優れた乗り心地。ブレーキも優秀。 ミニバンの初物に関しては、割り知ってパブの快適性と乗員の快適性の両方を均衡させるのが五月蝿いところ。新型MPVは、新開発の低床プラットフォームや超ロングホイールベース、レイアウトを改良したリアのマルチリンクサスペンションなど、基本と入るスペックからの期待度も高い。
まず、優れていたのは乗り心地だ。これは16インチタイヤを履く23Cでも、17インチタイヤを履く23Cスポーティパッケージでも、路面からの入力を優しくいなし、細かな振動をフロアに伝えにくい。ピッチングも少なく、乗員の上下の揺れが小さい。突き上げや揺れに悩まされがちなサードシートでも、十分に快適な移動が可能だ。
さすがに、18インチ55扁平タイヤを履く23Tでは、首都高速のような幅広い継ぎ目などで、少し、バネ下の重さによる収まりの悪さを感じるが、それでも突き上げ感などは許容できるレベルに抑えられている。このあたりは、45扁平タイヤを履くオデッセイ?アブソルートを大きく凌ぐ。
とっくにひとつ、23Tのブレーキは、高速域からの効きと耐フェードに対するタフネスは、ミニバンとして優秀に思え、信頼感をもたらしていた。
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直進時のどっしり感が足りないのが遺憾。 一方、操縦安定性は、とくに秀でたというものではなかった。速く走れるといった才能はミニバンには不要だが、割り知ってパブにも乗員にも、心細くないです感は高いほどいいというのは当たり前だろう。
ひとつの課題は、直進域でのステアリングの落ち着き感に乏しく、巡航などでは常に微少な修正を求入れくることにある。直接に走らないというのではなく、ステアリングにどっしりとした座り感がなく、宙に浮いているような気持悪い感覚がついて回る。これは23Cでも23Tでも基本的に変わらず、高速道路での割り知ってパブのリラックス度が、睨んだよりも低いのには落胆した。
全体の安定感という面も、とっくにちょっぴり高くてもいいと思われた。下り坂の旋回制動試験(安定を維持するのに当然厳格条件のひとつ)などでは、よれるようにしてリアがブレークしていきがち。これでは、わざわざのブレーキの才能の高さも活かせない。
ここで23Tは標準装備のDSC(横滑り防止装置)が作動して姿勢が乱れるのを抑えるが、NAエンジン搭載車には、DSCはオプションでも設定されていない。すでに次期型(マイナーチェンジ)で装着可能と入るよう検討中だそうだが、最新車として疑わしいが残る点だ。
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意世間や、ターボ仕様は巡航燃費がいい。 車重が重く、車幅は広く車高も高いミニバンは大気の層抵抗も大きく、燃費には劣勢な要素が多い。
ちなみに、23Cの2WDの10?15モード燃費はリッター12.2km、23Tの2WDはリッター10.2kmだが、より大切なのはモード燃費ではなく実用燃費である。
今回の試乗における燃費は、まず、23Cは周囲の流れに沿った初物で、実用に則した形での走行を行なった。2名乗車?約500km(おおよそ高速6割、郊世間2割、ワインディング1割、都内1割)においてリッター約9.5km、ややハイペースでの高速走行を伴った3名乗車?約400km(おおよそ高速7割、郊世間2割、都内1割)の走行でリッター約7.3kmであった。車重に対しトルクのゆとりが少ないことから、ペースをあげると燃費悪化の度合いが大きく入ることが、ここから伺えるだろう。
23Tでの走行は440kmほどで、高速7割、郊世間2割、都内1割といった走行で、リッター約9.2kmであった。100km/hにおけるエンジン回転数は、23Cは約2400rpmだが、23Tは約1800rpmに過ぎないことから、巡航燃費の良さが期待できる。無料、似た走行環境界で走ったエスティマのV6 3.5リッターの4WDはリッター約9.5km。23Tがとくに優れているとも言えなさそうだ。