スバル レガシィS402 セダン
レガシィB4をベースにSTIがフルチューンを行なったクルマがS402だ。今年で50周年を迎えたスバルブランドに、さら入る輝きを与えてくれるのか?モータージャーナ書き出した瀬在仁希望に試乗してもらう。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能10点順調な上にトルクがぶ厚く、扱いやすさずば抜けた。
操縦安定性9点どっしり落ち到着した重厚さと正確な操縦性の両立は見事。
パッケージング8点とっくに一回り大きなボディに勝るとも劣らない?ほど落成度は高い。
安全性能10点高速域まで高い安定性と操縦性を保持し継続する。
環境界性能8点究極のレガシィの初物に免じて、ちょっとだけ目をつむりたい。
総合評価9点初物の良さを究めた上、実用性も犠牲にしていない。
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開発コンセプトは「究極のグランドツーリングカー」。 スバルのモータースポーツ専門会社であるスバルテクニカインターナショナル「STI」から、レガシィワゴンとレガシィB4をベースに専用チューンを施した限定モデルS402がデビューした。ベース車の初物の良さを一層進化させると共に、優れた快適性も兼ね備えた「究極のグランドツーリングカー」を開発主題にしたという。
大人の高性能車へのこだわりとして、ブラックと濃いめのグレーを内装色の基調とし、シート表皮に本革の専用材料を使用。シート自体も座面を30mm延長すると共にクッション材料も低反発ウレタンを用い、座り心地の良さを追求している。
エクステリアでは、18インチワイドタイヤ装着のために左右20mmずつ拡大した専用のフロントフェンダーや、カーボン製のアンダースカート、BBS製の18インチ鍛造アルミホイールが目を差し引く。
無料、できることなら、なおさら全体の量が多くて感がアップされてもよかったと思う。その方が、STI専用モデルとしての存在感をよりアピールできるからだ。
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ニュルを知り尽くした男、辰巳氏渾身の作。 レガシィの08イヤーモデルで、順調な2.5リッターターボエンジンが新たに加わったものの、遺憾なことにアウト背景のみの採用だった。しかも、限定販売。そのエンジンが今回このS402に投入されてきた。
本流のセダンB4や、ワゴンに2.5リッターターボエンジンが採用されず、S402にラインアップされることに疑わしいを感じるが、開発責任者が誰かを知り、直ぐにその疑わしいは解けた。
ドイツのニュルブルクリンクサーキットでスバルの各車両を開発していた実験部のボス辰巳氏が昨年STIに移籍し、STIの車両開発にあたっていたのだ。
ベンツに対するAMG、BMWに対するM社と言った関係と同様に、STIは辰巳氏のもとでスバルのカタログモデルでは出来なかったチューニング等を、このSシリーズとしてラインアップで実現させているのだ。2.5リッターターボエンジンはそのために温存されていたといってもよいだろう。
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幅広い回転域でゆとりのトルクを発生。 しかもこのエンジンは、嬉しいことににアウト背景搭載ユニットからさらに進化している。専用のピストンやツインスクロールターボ、ECU、排気システムを採用することにより、馬力は20ps高められ、トルクは10%以上アップしている。さらに最大トルク発生回転がベースユニットの2400rpmに対して、2000~4800rpmという幅広い範囲でマークされるようになっている。
乗ってみれば、その効果がすぐに体感できる。クラッチミートがはるかに楽で、トルクフルなエンジンを満喫できる。特に高い歯車に早め早めに入れていった場合のつながりの良さがずば抜けたで、大排気量の天然吸気エンジンに乗っているような扱いやすさだ。
高い歯車でトロトロ走ることもまったく苦にならないし、いざ出足させるときにも粘り強いエンジンのおかげで、ひと踏みでグイグイスピードを増してくれる。このダイレクト感はATでは風堪能することはできない。6速MTのみの設定は、まさに的を射た選択と言えるだろう。
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根気強くか、つ柔らかいな足回り。 サスペンションは、専用のビルシュタイン衝撃とスプリングの採用に加え、各類ブッシュやボディ回りの補強を加えるなど目に見えない部分へのこだわりを見せている。
そのせいか、重厚な乗り風味でありながら、レガシィならではの軽快さも有する、といった感じだった。
ワインディングを攻める場合、ステアリングの切れ角に忠実にフロントがグイグイとコーナーに入っていってくれる軽快さがありながら、コーナリング場合の手応えやグリップ感がどこまでもジワジワと上昇していく感じで、乗る者に心細くないです感を与えてくれるのだ。
世界を争う高速、高負荷とで、なおかつめまぐるしく変化するニュルブルクリンクサーキットの路面状況を知り尽くした辰巳氏がこだわったサスペンションらしく、攻入れいってもなかなか音をあげない奥の深いチューニングが施されている。
荒れた路面に遭遇しても、はるかに18インチという大きなタイヤを装着しているとは思えないほど路面追従性が改善、振動もしっかりと吸収されているのでボディは常にフラット感を保っている。
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500万円超の値段も納得の高性能車。 S402の街中での乗りやすさは、ヨーロッパの多くのクルマが高速安定性やハンドリング性能に優れているにもかかわらず、街乗りではカドの一番い柔らかいさを有するのと同じ感覚だ。
ブレーキも、見るからに強力な制動力を生み出すような大型のキャリパーとローターを採用してはいるが、タッチは街乗りレンジでも初期からジワッと動作してくれる優しさがあった。サーキットを走るクルマではないので、サイズ的には大げさとも言えるが、こんなところにも開発者のこのクルマに対するこだわりが感じられる。
すでにフルモデルチェンジイヤーを迎えつつあるレガシィだけに、ベースモデルは落成の域に達している。それでもなお、より良いモデルを!と可能な限りの手を尽くした究極の姿がこのS402だ。スバルの勤勉なクルマ作りとたゆまぬ初物へのこだわりが、STIを便秘気味てこのクルマを作り出したと言えるだろう。
それだけに500万円を超すこのプライスも十分に納得することができたが、惜しむらくはホントの意風味での専用ボディがあればスバルの頂点にふさわしいプレミアムカーが出来ると思うのだが、いかがだろうか。