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ゲームで鍛えたテクニックはレースで通用するのか




優秀ゲーマーが、リアルレーサーに!?
欧州日産「GTアカデミー」ドバイ24時間レース参戦記(1)
 

不況の時期こそ、希望が、楽しみが、そして情熱が求められるのではないか?
ゲーマーをレーサーに仕立てる欧州日産の試みには、3要素すべてが詰まっている。
埋もれていた才能は開花するのか? 注目のデビューレースを追った。
 









果たして、TVゲームでの実力は、どこまで現実の世界で通用するのか? そんな素朴な疑問を心に浮かべたことはないだろうか?  プレイステーション3「グランツーリスモ5プロローグ」は、リアル ドライビング シミュレーターとの位置づけで開発されたゲームソフトだ。プレイヤーは、実在するクルマを選択することが可能。そしてクルマの挙動は、それぞれの車種にあわせて忠実に再現されている、と評価が高い。

では、グランツーリスモを得意とするゲーマーが、現実世界のサーキットでプロ顔負けのタイムを叩き出せるのか?そんな、検証したくとも機会のなかった夢物語が、欧州日産とプレイステーションのコラボレーションによる「GTアカデミー」プロジェクトとして始まることになった。

イタリア、英国、スペイン、ドイツ、フランス……など10ヵ国で行われる、オンラインのタイムアタック予選。次に各国別のファイナル。その後、各国代表者が英国シルバーストンに集まる最終選考会へ。そして、その勝ち残りが元F1ドライバーとチームを組み、ドバイ24時間レースにてデビューする……。前例のないビッグ・プロジェクトだ。きっかけは、ある人物が長年温めていた“想い”だった。
 





%26gt;%26gt;奇跡的なコラボレーション実現のきっかけとは
















優秀ゲーマーが、リアルレーサーに!?
欧州日産「GTアカデミー」ドバイ24時間レース参戦記(2)
 




控え室に「グランツーリズモ5プロローグ」専用台が設置されていた。レースの合間、ルーカス・オルドネスにゲームの腕前をみせてもらう。「GTアカデミー」のスペイン代表になるため、自宅にも彼は専用のハンドルとシートを用意し、毎日2時間プレイしたという

「4年前、私が英国日産に所属していたとき、40人のゲーマーをサーキットへ招待し、フェアレディZやマーチなどを運転してもらう、小さなプロモーションを行いました。そこで、と思うゲーマーが数人いたんです。埋もれている才能を発掘したい……。

その後、欧州日産に勤務先が変わり、この前代未聞のプロジェクトを何度かヨーロッパのプレイステーションへ持ちかけたんです。GT-Rととの発表のタイミングも合い、実現にこぎ着けたのですが、本当に長い道のりでした」と感慨深く語るのは、欧州日産マーケティングマネジャーを務めるダレン・コックス。彼がいなければ、このプロジェクトはアイディア止まりになっていたかもしれない。

08年8月末、実車によるテストやフィジカルテストが最終選考会で行われ、スペインから大学生のルーカス・オルドネス、ドイツからタクシードライバーのラルス・シュロンマーが見事勝者に輝いた。そして、約2万5000人が参加した「GTアカデミー」に勝ち残った二人は、4ヵ月後のドバイ24時間レースへ向け、厳しいトレーニングを開始したのだった。
 





%26gt;%26gt;そしていよいよ、本格レースに参戦!
















優秀ゲーマーが、リアルレーサーに!?
欧州日産「GTアカデミー」ドバイ24時間レース参戦記(3)
 




FIA GT4クラス水準にモディファイされたフェアレディZは、約380馬力のパワーを誇る。車重は約1250kgと、かなり軽量化されている

ドバイ24時間レースは、ドバイの中心部からクルマで約1時間、モーターシティと名付けられた開発中のエリア内、ドバイ オートドロームで開催される。全長5.39km、将来のF1開催を目指してつくられたサーキットは、設備もかなり充実している。エントリー78台の内訳は、ヨーロッパからの参加が多い。しかし地元UAEや、遠くはマレーシアからのチームもあり国際色豊かだ。レースカーは市販車ベースが主体で、排気量や改造範囲で細かくクラス分けされている。

2009年第4回ドバイ24時間レースは、1月8日の予選、9~10日の決勝という3日間のスケジュール。金曜・土曜決勝という日本人にとって変則な日程は、UAEの休日慣習に合わせたものだ。欧州日産は、チームを運営するRJNモータースポーツをサポートする形で、2台のフェアレディZをA5クラスにエントリーしていた。英国オックスフォードを拠点とするRJNは、日産車でのレース活動で成果をあげている会社だ。

日産のエースナンバーを背負う23号車のドライバー構成は、「GTアカデミー」を勝ち上がったルーカス・オルドネス、最終選考会からプロジェクトに参加した元F1ドライバーのジョニー・ハーバート、「GTアカデミー」の教官であるロブ・バーフ、そして車輌を開発したアレックス・バンコムの4名。残念ながら、ラルス・シュロンマーは、コンディションの関係で参加が見送られた。また、もう一台のZには、日産自動車の副社長カルロス・タバレスがドライバーとして参加した。彼は次のように語った。

「日産ブランドの柱の一つは、ドライビングプレジャー。モータリゼーションへの情熱を、より多くの人に持ってもらうことは社命の一つです。だから今回は、リアルなレーシングの世界を掴むチャンスを提供することができ、非常に満足しています。私たち日産にとっても良い経験なんです」
 





%26gt;%26gt;ゲーマーあがりのテクニックはどこまで通用するのか
















優秀ゲーマーが、リアルレーサーに!?
欧州日産「GTアカデミー」ドバイ24時間レース参戦記(4)
 




状況をモニターで確認する、監督のボブ・ネビル、アレックス・バンコム、日産副社長のカルロス・タバレス

1日目午後3時、予選が始まった。ルーカスの番が回ってくる。1周目、2分23秒台をマーク。先走のドライバーたちがコンスタントに2分12~13秒台を出していただけに、約10秒落ちはかなり遅い。やはり、現実は厳しいのか……。正直、そう思ってしまった。が、その後、アップダウンを繰り返しながらも少しずつタイムを縮めていくルーカス。ついには2分16秒台を記録する。

タイムとしてはまだまだだ。けれども適応能力の高さは注目に値する。「目標とするタイムを出せて満足している。24時間のレースだし、そんなに速く走る必要はないからね。とにかく自分のベストを尽くせばいいんだ」と、自分に言い聞かせるようにルーカスは語った。最終的にアレックス・バンコムが2分10秒を叩き出し、クラス2位で予選は終了した。表彰台を狙える良いポジションだ。アレックスは、ドバイ オートドロームの攻略法を次のように語った。

「このサーキットは、かなり高速系なんだけど、ただアクセルを踏めばいいってものではない。逆にリズムを見つけるのが必要なんだ。特に第9コーナーは、とても長くて難しい。少しバンピーでクルマが暴れやすい。ラインを外さずできるだけスムーズに、だね」
 





%26gt;%26gt;そして、いよいよ決戦の日
















優秀ゲーマーが、リアルレーサーに!?
欧州日産「GTアカデミー」ドバイ24時間レース参戦記(5)
 




左から、ジョニー・ハーバート、アレックス・バンコム、ルーカス・オルドネス、そしてロブ・バーフ。元F1ドライバーとゲーマーあがりのドライバーによる異色のチーム編成は、レース前から話題となった

耐久レース、特にそれが24時間の長丁場となるならば、瞬間的な速さだけでは勝てない。チームの総合力で走り切ることが必要だ。決勝日の朝、チーム監督であるボブ・ネビルに作戦を訊いてみた。「いろいろ考えたけど、ロブ・バーフを1番目に走らせることにした。まずは、確実にクラス2位をキープして、ルーカスに繋ぎ、そこでの様子を見てジョニー・ハーバートを投入するんだ。そして、アレックス・バンコムだ」
華やかなグリッドウォークに続き、午後2時にレースが幕を開けた。

ドライバーは、予定通りロブ・バーフ。無事にスタートを切り、23号車はコンスタントに周回を重ねるも、18周目にピットインしてしまう。エンジンオイル漏れだ。メカニックが一丸となって修理にあたるも、約30分の時間を費やしてしまう。代わったルーカスは、1周目から自己ベストの2分15秒台をマークするも、周によっては18秒台と安定しない。そして、53周目にピットイン。ジョニー・ハーバートへドライバーを交代した。だがその直後、他車の事故により、コース上は時速60㎞制限となってしまう。

元F1ドライバーといえども挽回のきっかけが掴めない。レースタイム5時間の時点でクラス15位と低迷するが、まだまだレースは始まったばかり。チームは黙々と自分たちの仕事をこなしていく。ロブ・バーフは「GTアカデミー」の教官、つまりルーカスの師匠だ。走り終えたばかりのルーカスを捕まえ、厳しい表情でレース中の状況を聴取。そして、身振り手振りを交え、ドライビングを教えていた。そこには監督ですら立ち入れない緊張の空間があった。

「ルーカスには、僕の持っているノウハウをすべて叩き込んだんだ。ごく初歩的なことを含めてね。特に重要なのはブレーキだよ。若干遅いくらいかな……という感じでコーナーを走り、抜けきったところでアクセルだ。とにかく焦って速く走ろうとしないことだ。結果そのほうが速く走れる」ルーカスのタイムが安定しないのは、一生懸命すぎるからだとバーフは指摘した。ある意味ルーカス本人以上のプレッシャーが、彼に掛かっている。

その後、大きな問題なくドライバー交代がなされ、チームは徐々に本来の力を発揮できるようになった。10時間後には、クラス12位まで順位を上げる。そして午前4時30分、ルーカスが3回目のドライブを担当する。そして、奇跡が起こった。なんと、2分11秒8のタイムを2度も刻んだのだ。アレックス・バンコムの出したチームベスト2分10秒4には及ばない。だがここ一発の速さでは、プロ・ドライバーに混じってもおかしくはないタイムだ。恐くろくべき、急成長だ。
 





%26gt;%26gt;グランツーリスモのプロデューサーは、レースをどう見たのか
















優秀ゲーマーが、リアルレーサーに!?
欧州日産「GTアカデミー」ドバイ24時間レース参戦記(6)
 




上/レース後のセレモニーでは、ラクダも登場。ドバイならではの演出だ
下/現地では「370Z」と呼ばれるフェアレディZ。日本仕様Version ST435万7500円

応援に駆けつけたグランツーリスモ シリーズプロデューサー山内一典は、こう語った。「ルーカスが出した結果を、意外なこととは思っていません。実際のクルマの運転は、確かにゲームよりも複雑です。けれども、速く走るために何をしなければならないのか、何をしてはいけないのか、そのあたりを学べるように作ってあります。後はちょっとした経験なんですね。そのことをルーカスが証明してくれて良かった」

18時間後、23号車はクラス10位。あと残り6時間。クラス9位との差は4周。まだまだ、ポジションアップが可能だ。誰一人としてあきらめの表情を浮かべない。そして、レース残り2時間でクラス9位へ浮上する。だが、落とし穴が最後にもう一つあった。ロブ・バーフが緊急ピットイン。一度はピットを出たものの、1周で戻って来てしまう。ドライブシャフトにトラブルのようだ。かなり大掛かりな修理。ここまで来て、無念のリタイヤに終わるのか? メカニックの懸命な作業が続く……。

傍で、クルマの復帰を信じるバーフ師匠とルーカスが、念入りに打ち合わせをしている。真剣にバーフの話を聞くルーカスの表情が印象的だ。なんとか再スタートを切った23号車。最終ドライバーはルーカスだ。最後にどんな速さをみせるのか、期待がかかる。が、彼は良い意味で期待を裏切ってくれた。ルーカスは2分18秒前後の安定したタイムで淡々と走り切ったのだ。バーフ師匠は完走するためのプロの運転を、ルーカスへ伝授したのだった。「チェッカーフラッグを受ける瞬間、みんながフェンスをよじ登って応援しているのを見つけ、人生で一番幸せを感じたよ」とルーカス。
 





%26gt;%26gt;果たして結果はいかに
















優秀ゲーマーが、リアルレーサーに!?
欧州日産「GTアカデミー」ドバイ24時間レース参戦記(7)
 





最終結果はクラス9位。予選を考えれば残念な結果だが……。レース終了後の控え室に、暗い雰囲気は一切なかった。むしろ異様な盛り上がりを見せている。

ジョニー・ハーバートは、次のように語る。「GTアカデミーのプログラムすべてが成功したと思っている。ヴァーチャルな存在にリアリティを与えたんだ。順位は確かにそんなに良くなかった。だがルーカスは良くやった。特に夜の難しい時間をこなしてくれた。以前はこのプログラムに対して、“無理でしょう”と考える人も多かった。でも今は、“ポッシブル”だということをみんなで共有できた。2位だとか3位だとかは問題ではない。ルーカスを含む4人で走りきったことが大事なのだ」

「やり遂げたことで、我々のチームスピリットを証明できた!」カルロス・タバレスがスタッフ全員を讃えると、控え室が湧く。

最後はタバレスのリクエストにより、山内一典が一本締めの音頭をとることに。「ヨーッ!」パーン。ほぼ全員が初めての体験だ。ぎごちない分、よけいに笑顔が増してくる。

「将来は、日本のスーパーGTに参戦してみたい」とルーカス。よりハイレベルなシリーズだが、確かに彼ならやってのけるかもしれない。一つの夢を叶え、また新たな夢が始まったのだ。






















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ジャンル : 車・バイク

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