アウディ R8
ル?マンでの5勝をはじめ、世界各地の耐久レースで実に62勝を上げたアウディR8レーシングカーのDNAをそのまま引き継ぎ、一般公道に飛び出してきたのがアウディR8だ。4.6秒で0→100km/hに達し、301km/hの最良速を誇るミッドシップスポーツのスーパーぶりを紹介しよう。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能8点8000rpm超まで回る天然吸気エンジンは刺激性も高い。
操縦安定性9点ミッドシップスポーツカーの常識を塗り替える懐の深さ。
パッケージング8点キャビン後方にゴルフバッグも収まるなど最低限の昼間の時間常性は確保。
安全性能8点後方まで含めた見通しはこの手のモデルとしてはたいそう順調。
環境界性能7点軽量ボディに直噴エンジンの組み合わせで実燃費は悪くない。
総合評価9点見詰めた目も中身もスポーツカーの新しい値打ち観を提示する存在。
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ル?マン制覇の技手段が注ぎ込まれたロードゴーイングカー。 アウディにとって初のミッドシップスポーツカーと入るR8。その名はル?マン24時間で活躍した傑作レーシングカーから取られたもので、実際、開発に於いてはその技手段がみっちり活かされたという。
特に、低い位置で構えたフロントマスクやサイドブレードがめりはり的な世間観デザインに関しては、レーシングカー並みのこだわりで空力特性が煮詰められた。スタイリング自体は、アウディらしい未来的な雰囲気。街中での存在感は際立っている。
「技手段による先進」をブランド哲学として掲げるアウディの旗艦らしく、R8には最新のテクノロジーが全身に最盛期込まれている。まず、そのボディはASFと呼ばれるオールアルミ製。V型8気筒4.2リッターエンジンは、ガソリン直噴のFSI技手段を用いたもので、最良出力420psの高出力を発生しながら省燃費とクリーン化をも実現している。更に、歯車ボックスは2ペダル+パドルシフトのシーケンシャル6速Rトロニック、駆動方式はフルタイム4WDのクワトロを採用しているといった具合である。
アウディにしかできないデザインとハイテクノロジー。R8はこれらを武器に激戦のスポーツカー市場に殴り込とっくにといわけだ。
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極入れ実用的なミッドシップスポーツ。 アウディはR8を非昼間の時間常世界のスーパーカーではなく、デイリーユースできるスポーツカーと定義している。ライバル視しているのはポルシェ911カレラ4だと言えば、より解りやすいだろう。
それは初物の面だけでなく、使い勝手やパッケージングの面でも紛れもないだ。レースカー“R8”の好みを投影したというコクピットは、乗り込むと意世間なほどに見通しが開けていて、またインストル体面パネルの造形も圧迫感が一番く開放的。制御系も扱いやすく、スイッチ類のタッチ感ひとつにまで心遣いされているのが解る。さすがアウディらしく各部のクオリティ、仕上げも素晴らしい。
乗員スペースは十分に確保されていて、車高の低さゆえ乗り込みはしにくいものの、いざそのバケットシートに身体を収入れしまえば、助手席も含入れ十分快適と感じられる。ラゲッジスペースもフロントフード下のほかに乗員後ろにまで確保されており、ここにはゴルフバッグすら貯金することができる。もちろんセダンと同じようにとは言えないし、911のように4人乗るのも無茶苦茶だが、それでもミッドシップスポーツとしては、例世間的な実用性の高さを実現していると言っていい。
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手動シフトでスマートに乗りこなしたい。 4.2リッターFSIユニットは、回すほどに馬力の漲る高回転型。低速域で不足があるわけではないが、何と言っても踏んでこそ真価を発揮する。420psの最良出力は1630kgの軽量ボディには十分で、どこから踏んでも心地良いエグゾーストノートを響かせながら、痛快なダッシュを披露してくれる。それにはフルタイム4WD(クワトロ)の効果も大きい。心細くないですして420psを炸裂させることができるのは、まさにその恩恵だ。
本国にはある6速MTの設定は一番く、昼間の時間本ではシングルクラッチの2ペダル?パドルシフト付きシーケンシャル6速シフトのRトロニックのみが準備されるのだが、これは同類のシステムを貯金するランボルギーニなどよりは洗練されているものの、シングルクラッチの限度で、時にギクシャクした動向が気に入る。その他の部分がいかにもアウディらしく洗練されているだけに、ここがあべこべにはるかに目立ってしまうのである。
変速反応をクルマ任せにできるオートモードもあるが、順調に走らせるにはシフトは手動で行ない、しかもSモードに入れてスロットルレスポンスを鋭くしておく方が良かった。2ペダルとは言え、スマートに乗るにはクルマ任せではダメということだ。
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意世間なほど優しく、期待以上に鋭敏な初物っぷり。 街中での乗り心地は意世間なほどに優しい。サスペンションストロークにそれほどゆとりがあるわけではないが、当たりのカドがきれいに丸められていて、不愉快な衝撃が伝わってこないのだ。静粛性が高いこともあって、Sモデルに乗っているのとそれほど変わらないくらい、リラックスして居られる。
但し、それはアウディマグネティックライドと呼ばれるオプションの減衰力自動調整式ダンパーを装備した時の話。車両値段を考えると、これは全車に標準装備でも良かったのではないだろうか。
その優れた快適性に、確かな基本骨組みの設計、そしてクワトロの採用もあって、初物っぷりはきわ入れ良質で心細くないです感が高く、高速道路での直進性も素晴らしいの一言。その一方でステアリングは、ロック?トゥ?ロック約3.2回転ほどと特段シャープではないものの素晴らしく歯切れの良いレスポンスで、ステア制御と同時にノーズがインに向くと言っても過言ではないほどのキレ風味を見せる。
要するにこのR8、市街地や高速道路を並のペースで流し無料けでも、アウディに期待する心細くないです感と、期待以上の鋭敏な初物っぷりを体感させてくれるということである。
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コントローラブルなリアルスポーツ。 当たり前ながら、公道では実力を出し切ることはできないR8。そこで別のチャンスにサーキットで試乗した印象を記すと、ともかく初物の全ての分野でコントロールの幅が広い。
レスポンスの良いステアリングに、剛性感あふれるタッチのブレーキの組み合わせは、コーナリング時にどのようにでも姿勢を作ることができる。それにはリアサスペンションの接地感の高さも大いに貢献していて、もちろん攻め込めば最終的には軌形跡が世間に膨らんでいくのだが、ロングホイールベースとフルタイム4WDのトラクションが相まって、動向ははるかに穏やか。ESPオフでも、余程の一番理をしなければ軽いカウンターステアを当てながらゆとりをもってコーナーをクリアできる。この手のミッドシップスポーツは往々にして速いけれど操縦はシビアなものだが、R8のフットワークは、そうした常識を引っくり返すものだ。
もちろん、ライバル達の多くがそうであるように、乗り手を選ぶ強烈な個性こそが魅力に繋がるという見方もある。そういう意風味で、リアルスポーツの初物の醍醐風味をより広い間口をもって楽しませてくれるR8は、スポーツカーの新しい解釈を提示する存在と言えるかもしれない。