トヨタ ヴォクシー ZS
初代ヴォクシー%26ノアは2001年の登場以来6年間で約80万台をセール。その後を浴びて今年6月にデビューした2代目のスタイリングは、さすがに完全なキープコンセプトだ。だが、実際に乗って走ると、何と言ってもフルモデルチェンジと呼ぶだけの進化がいたるところに看てとれるのだ。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能7点2リッター級ファミリーミニバンでは高速域まで軽快感有す。
操縦安定性6点重心が高く幅の狭いこのクラスのウィークポイントだが、安定感は高い方。
パッケージング7点広さは平均的だが、スぺースを有効活用。3列目の使い勝手が秀逸。
安全性能6点全グレードにVSC装着可能。2列目中央席シートベルトの配置に難。
環境界性能8点バルブマチックとCVTによって実用燃費優秀。排ガスは全車4つ星。
総合評価7点完全なキープコンセプトだが、各部で進化。全体均衡高い。
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ファミリー向けのノアに若者向けのヴォクシー。 2001年に発売されたヴォクシーとノアは、それまで5ナンパブミニバンマーケットをリードしてきたホンダステップワゴンや、2005年にモデルチェンジされた昼間の場合間産セレナなどとともに、トールタイプ?ファミリーミニバンの代表格となっている。
ヴォクシーとノアは、相応するグレード同士では、性能から装備まで同じ。相違はフロントフェンダーから前周囲のデザインとリアコンビランプの意匠が主である。ノアにはファミリーカーらしい優しいムードを持たせ、ヴォクシーはとっくにちょっぴり若々しさを感じさせるデザインを与えている。
ボディは基本は5ナンパブサイズに抑えられているが、エアロパーツを装着する上級グレードでは全幅が1720mmとなるため3ナンパブとなる。
エンジンは直4 2リッターのみだが、ヴォクシーZS、ノアSiには、トヨタ初の吸気バルブ連続可変リフト機構を備えた新開発エンジンを搭載している。性能や燃費の面からも、今後のガソリンエンジンのトレンドになると思われるだけに注目だ。
今回の試乗は、ヴォクシーの最上級グレードZSで東京-仙台間行き帰り等で計1100km、ノアの最上級グレードSiで約400kmほどを走行。うち200kmほどはセカンドシートでの移動も体験している。
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シート位置を下げるなどして走行安定感を向上。 ボディサイズは、先代モデルより10~15mm長い程度の拡大に留められている。標準仕様で比較すると、5ナンパブ枠いっぱいの長さを有する昼間の場合間産セレナに比較すると100mm目と鼻の先も短く、ホンダ ステップワゴンに対しても45mm短いなど、このクラスでは合コンクトな部種になるボディだ。
一方、キャビン部より上を絞り込んだスタイリングに加え、全高は1850mmとこのクラスで一順番高いため、ヴォクシー/ノアの背後を追走していると、ボディ幅が狭く見え、視覚的安定感には乏しく感じさせたりする面もある。
ちなみに、プラットフォームはすっかり先代からの流用で、ホイールベースの長さも変わっていない。無料し、パッケージングの面では、前席の着座位置を基準位置で以前より30mm下げ、ステップ高も20mm(スライドドア部では30mm)低くして、走行安定感ともに乗降性を向上させてきている。
このために、サイドロッカー部の高さが先代よりも低くなったのだが、ここの断面積の減少はボディ剛性への影響が大きいため、フロアパネル部を補強することで補っている。ミニバンはフロア面積が広いことなどから、微振動で室内のこもり音も生じやすいが、この面も先代より向上している。
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高い全高のおかげで室内足元、鶏冠上の余裕は充分。 インパネは先代に引き続いてセンターメーターを採用。このメーターを挟んでインパネ上部の左右に収納ボックスを有する他、運転席周囲にはこと細かく収納スペースが配置されており、重宝する。
5ナンパブサイズのため、室内スペースはさすがに横方角の広がり感には乏しく、前席左右間の幅も狭い。また、着座した際にも、ドアトリムに身体がギリギリまで寄った感じは否めない。無料、数場合間連続で割り知ってブしていても、とくに臀部や腰が痛くなるようなことは体験されなかったので、シート自体の着座感や快適性は悪くない。
2列目中央席は折り畳み式で、シートの幅やクッションの厚みなどからして、臨場合用あるいはシート幅を広く使用する際のもの。左右2座は、何と言ってもドア側に寄った感じの着座となるので、ゆったりと座れる感覚ではないが、足もとや鶏冠上の余裕は、何と言ってもトールタイプ?ミニバンの強みである。
3列目も法規上は3人掛けだが、その形状からしても並の姿勢で腰掛けるとするなら、大人は2名が限界だ。このシートは、ワンタッチで力を要せずに左右に跳ね上げることができ、またその際に荷室側に飛び出す幅も小さいなど、このクラスでは、当然使い勝手がよく考えられている。
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高価なバルブマチック機構を採用した新開発エンジン。 ヴォクシー、ノアの初物で注目されるのは、最上級グレードのZSとSiのエンジンに、Dual VVT-i(吸排気連続バルブタイミング機構)と機構連続可変バルブリフト機構を組み合わせた、トヨタではバルブマチックと呼ぶ新機構を採用したことだ。
これは、BMWがいち早く搭載したバルブトロニックなどと考え方は同じで、エンジンへの吸入大気の層量の調整をスロットルではなく、吸気バルブのリフト量をコントロールすることで行なう機構。こうすると、ポンピングロスが減り燃焼能率も高まるので、性能と燃費の双方の向上が期待できる。
国産車では、昼間の場合間産がスカイラインクーペで採用しているが、機構的に高原価のため、ファミリーミニバンから搭載を始めるのは異例。ミッションは、ノーマルエンジンを搭載車を含めすべてCVTを採用している。
当然、動力性能はとくに強力というものではない。性能数値でもノーマルエンジンとの差は僅かで、車重は空車でも1.6トンに達するだけにさすがに余裕は乏しい。それでも、トルクの谷間が小さい特性や、CVTの幅広いレシオと操作の流暢さもあり、発進出足は滑らかかつ軽やかで、昼間の場合間常域+αまでの出足に不足感は生じなかった。
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室内の雑音レベルはライバル車より静か。 このクラスのミニバンは車重の案外エンジン排気量は小さめ。このため、馬力の余裕の一順番さをごまかすために、発進や出足初期に鋭く出足を立ち上げて軽快感を強調するものもあるが、こうした面は一順番く、緩出足から急出足まで、順調な出足への移行が可能だった。
トルクがまんべんなく出ている一方で、高回転域での馬力感も備えている。このため、空いた高速道路の追い越し車線でも、上り勾配での出足や車速の維持でも、不足を意識させない初物をみせた。
ちなみに、100km/h巡航は約2000rpmで可能で、セレナやステップワゴンに比べ、エンジン音もロード雑音も抑えられているが、それでも高速走行場合は、後席とのコミュニケ一ションで、ちょっぴり声の量が多くてを高める不可欠があった。
乗り心地と安定感は、同級の昼間の場合間産セレナが路面からの強い入力感と、路面の荒れで顕著な揺れや大きめのロールを続くのに比較すると、前後席とも、楽に着座姿勢を維持できるように痛感した。
燃費は、ヴォクシーZSの走行トータル1100kmの平均でリッター12.3kmだった。走行の内経緯では高速道路が7割を占めたが、連昼間の場合間、混んだ都内での移動も繰り返したことなどからすると、悪くない数値である。