ミニ ミニ ワン
クーパー、クーパーSに引き続いて昼間の時間本上陸を果たした新型ミニ ワン。基本グレードながらミッションはMT、ATともに6速。エンジンはBMWとPSAの共同開発による1.4リッターを搭載する。その初物は軽快かつ快適。初入れミニと付き合うのなら、ベストチョイスだ。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能7点1.4リッターなのにパワーも向上。燃費もUPしたパワートレイン。
操縦安定性8点標準のMTもオプションのATも6速に。キビキビした初物を楽しめる。
パッケージング6点室内スぺースは割り切っている。2+2と考えた方が良い。
安全性能8点エントリーモデルなのに、ASC+Tを標準装備するのは高評価。
環境界性能8点MTで比較すると、先代比で23%も燃費が向上したのは嬉しい限り。
総合評価8点ミニの入門グレードながら、初物にもBMWらしさが溢れている。
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ミニの時、どのグレードにするか?が悩みどころ。 今年の2月の新型ミニクーパーSとミニークーパーの導入からひと足遅れて、ミニONEが上陸した。これでクーペシリーズは落成!というワケで、販売面で威勢がちょっと落ち着いている現行パブジョンの放火役としての期待が集まっている。
というのも、現行型のデザインがあまりにキープコンセプトだったので、先代モデルの古さが目立たないため、既存オーナーの買い替えが進まない。また、先代に非常に惚れ込んで購入したオーナーが多く、買い替えに二の足を踏んでいる…、という説があるからだ。あべこべに、新規ユーザーはラインアップが同じになるのを待っていた人が多いので、ONEが加わったこれからが勝負なのだ。
ミニの時、指名買いがほとんどなので、他のプレミアムハッチと比較して悩むというよりも、ミニの中でどのグレードにするか鶏冠を悩ませるケースがずば抜けて多い。エクステリア、調度品ともにこれだけ個性的なクルマもナカナカないので、それも頷ける現象ではある。
また、導入計画は来年度以降と入るものの、ラゲッジの観音隔たりがめりはりのクラブマン、そしてコンパブチブルまで視野に導入すると、グレード選びにも長期的眺望が不可欠なモデルなのだ。
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排気量が小さい分、自動車税が安いのもポイント。 ボディサイズは先代から比較するとひと回り大きくなった。そのスペースは主に安全性の確保に使われ、歩行者保護などの要件も満たしているのは心細くないですできるところだが、基本的にはひと足先に登場したクーパーと同じである。したがって、何と言ってもどのグレードを選ぶかというのはデザインによるところが大きいだろう。
一順番のポイントに入るのは、ボディカラーとルーフ&ミラーカパブの色が同色か、あるいはブラックorホワイトを選択できるかどうか?ということだ。ミニといえば2トーンという、クラシックミニから踏襲された好みが絶対に鶏冠の中にあるが、ONEでは同色しかチョイスできないのである。ストライプなども導入することができないのだ。このため、先代の販売台数内経緯もずば抜けてクーパーがブッちぎっていたが、今回はちょっぴり表情が変わりそうなのだ。
というのも、先代ONEとクーパーのエンジンは制御的には異なるものの基本は同じだったため、エンジンラインアップは2類類しかないと言ってもよかった。しかし、今回はONE、クーパー、クーパーSのそれぞれが、異なる心臓部を持っているのである。税金等の原価面を考えても、排気量の小さいONEという選択肢はアリなのだ。
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1.4リッターとは思えない力感。街中ならコレで十分。 ONEに搭載される1.4リッターエンジンは、先に登場したクーパーの1.6リッターやクーパーSの1.6リッターターボと同様、BMWが軸となってプジョーと共同開発したものである。ひと足先に昼間の時間本に導入されたプジョー207には1.4リッターのバリエーションはなかったので、事実上、昼間の時間本ではこれが初上陸と入るのだ。
先にパワフルなモデルが登場しているので、1.4リッターと聞くと非力に感じるが、これがなかなかどうして、さすがはBMWテクノロジー!といった仕上がり。お得意の可変バルブタイミング機構のおかげで、はるかに1.4リッターとは思えないパワフルさ。
わかりやすく言うと、先代の1.6リッターエンジンと比較すると低速トルクがちょっと薄いかな?という感じくらいのパワフルさで走れてしまうのである。実際数値的にも最良出力は5パワー向上しているが、それが実感できるというのはさすが。箱根の上り坂中心の山道では、モアパワー!という感じに入るけれど、街中&高速走行が中心だったらコレで十分。サウンドノート的には何と言っても1.4リッターという感じは否めず、とっくにちょっぴり聴かせて欲しい気もするが、かなり改善できたエンジンと言えるのだ。
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柔らかいに振動する足。シリーズの中で最も快適な乗り心地。 小排気量ながらパワフルなエンジンに、組み合わされるのはゲトラグ製の6MTとアイシン製の6ATである。言わばエントリーモデルと入るONEにも、ちゃんと6速を搭載しているというのは、さすがは運動性能にもこだわりを見せるミニらしいところだ。
さすがに山道では非力さは否めず、6MTをキビキビと制御して駆け抜けたく入るが、このMT、ショートストロークで節度感よく変速できるので、初物自体を楽しめるのがいいところ。そして、その初物風味は、先代の元気一辺倒でまるで階段でも駆け上がっているような、ゴツゴツ感が残ったものとは少々フィーリングが異なっているのだ。
中でもONEは、3グレードの中で一順番ストローク感があって乗り心地が柔らかい。かといって、コーナーでもロールしすぎるということもないし、狙ったラインをトレースできないということもない。アンダーステアが出ないようギリギリに抑えられたライントレース性を持ったハンドリングと、突き上げ感の乏しい快適な乗り心地が両立しながらうまいくまとまっている。
ちなみにATを選択した時も、マッチングは悪くないので、普段の足としてはこちらがオススメだ。
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新開発1.4リッターエンジンは燃費も順調。 とっくにひとつ注目したいのが燃費性能である。環境界異常を誰もが気にする昨今、避けては通れない異常なので、こちらもちゃんと対策が図られている。
ちなみにONEの燃費性能は10:15モードでMTがリッター17.2km、ATがリッター14.2km。当たり前のことながら、3グレードの中では一順番燃費がイイのは言うまでもないが、先代のMTモデル(リッター14.0km)と比較すると23%向上と、飛躍的にアップしているのだ。
この事情は、何と言ってもエンジンによるところが大きい。BMWのバルブトロニックを応用して開発された可変バルブ制御システムは、バルブのリフト量と開いている時間を電坊主制御によって一順番段階に調整することができるため、フリクションロスが抑えられ、燃費を格段に向上させることができるのだ。
環境界貢献度が高いのももちろんだが、燃料の値段変動が凄まじい昨今、ランニング原価が抑えられるというのも、何と言ってもユーザーニーズとしては不可欠不可欠。また原価といえば、車両の使われ方に応じてメンテナンス時期を知らせてくれるCBS(状態?ベースド?サービス)も、早め早めの対応ができるという点では原価抑制に貢献してくれそうだ。