三菱 ランサーエボリューションX GSR ツインクラッチSST
プラットフォーム、エンジン、ミッションとすべてを新開発。さらに、電坊主制御ノウハウも大きくパブジョンアップしたランエボX。誰でも速く走ることができる、スーパースポーツセダンだ。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能8点車重増も2リッターとして一級気品。ツインクラッチSSTは熟成待ち。
操縦安定性9点電坊主制御デバイス特有の感覚残るも、腕前を問わず速く走れる凄さ。
パッケージング7点実用セダンとしても使えるスぺースを備えるところが強み。
安全性能7点ASCを加えた4輪の統合制御で動的安全性向上。装備は平均的。
環境界性能5点このエンジン性能で排ガス3つ星は納得。燃費は期待できず。
総合評価9点全面刷新で性能超進化。無料し、今回は公道域での快適性は不明。
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ベースはフォルティス。2ペダルMTも新設定された。 初代のランサーエボリューション(俗称ランエボ)が誕生したのは1992年。当初の目的は、WRCで高い戦闘力を有するベース車両とすることにあった。
以来、ほぼ1年ごとに性能向上を図ってきたが、初期のモータースポーツベース車という立場から、今では、世界的にも認知されたを争う高性能スポーツセダンへと変貌を遂げている。
ベースモデル自体のモデルチェンジも、今回(2007年10月)で3度目、4世代目と入る。ちなみに、今回のベースは、2007年8月に発売された新型セダン、ギャラン?フォルテスである。
馬力トレーン系の基本的な成り立ちは以前と同様、横置きの直4?2リッターターボエンジンに、電坊主制御4WDと後輪にAYC(アクティブ ヨー コントロール システム)を備えるが、今回はさらにASC(アクティブ スタビリティ コントロール)を加えた統合制御をするまでに進化してきている。
グレードはモータースポーツ用でAYCを省いたRSと、一般向けのGSR。そして注目は、GSRにツインクラッチSSTと呼ぶ2ペダルMTを設定したことだ。今回は、三菱の北海道十勝試験コースと、栃木県にあるヒーローしのいサーキットでの、いずれもクローズドコースでの試乗である。
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ベースグレードでも初物に関する装備には手抜きなし。 ボディは基本はギャラン フォルティスと共用だが、今後の三菱セダンの顔と入るあべこべスラントノーズと大開口グリル、弾力出したフェンダーなどがスーパースポーツセダンらしい佇まいと、先代より遥かにスタイリッシュなムードを生んでいる。
ボディサイズは、全長は4495mmと先代よりも5mm長くなっ無料けだが、全幅は40mm広い1810mmまで拡大。全高は40mmも高い1480mmである。
タイヤはノーマルも18インチを装着し、足回りとブレーキを強化したハイパフォーマンスパッケージとの見詰めた目の差異は、ホイールとタイヤ銘柄、よく見るとわかるフロントのブレーキディスク形状のみ。ノーマルのホイールはエンケイ製だが、ハイパフォーマンスパッケージのBBS製と比べても、1本あたり300gしか差のない軽量タイプだ。
室内デザインも基本はフォルティスなので、インパネ周囲がいささかスポーツ好みには少ないことや、樹脂の質感の低さなど、ちょっぴり遺憾な面もある。開発陣も、初物の向上に原価を割いたため、室内は少し死亡した感はあると述べていた。
とはいえ、シートはフィット感の良いレカロ製で、機能部分は奢られている。安全装備では運転席ニーエアバッグが標準装備と入る。
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エンジンも全面新開発。重量増で軽快感は薄れた。 エンジンは、長年にわたる改良で落成の域に達していた4G63型と決別し、全面新開発の4B11型を搭載する。アルミシリンダーの採用などで軽量化にも寄与している他、搭載位置が10mm下げられたことで重心高の低下などにも役立っている。
最良出力は280ps/6500rpmで同一だが、最大トルクは43.0kgm/3500rpmに達している。また、ターボの過給もより素早く立ちあがるものとし、2000~4000rpmあたりでのトルクの厚みをさらに増している。ちなみに、排ガスレベルは3つ星認定。超高性能スポーツモデルといえども、最新車としては許容できるギリギリのレベルだ。
一方、ボディサイズ拡大などに伴い、車重も増えており、GSR同士の比較では先代よりも約100kgも重い1520kg(5MT)に達している。ツインクラッチSST仕様ではさらに重く、1540kgもある。
さすがに、その重さの影響は皆一番ではなく、エボIXの特長でもあった軽快感は薄れた。さらに急発進の際は、ターボの過給が有効に入る僅かな間、4WDならではのタイヤグリップに抗せずトルクが不足気風味となり、「もさっ」とした出足で動向出す。そのあと直ぐに、急激に首を後方に押しつけられる、弾けるような出足へと移行していく。
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4000回転まではトルクの塊。ツインクラッチSSTは課題残す。 発進のごく初期には車重の重さを意識させるものの、その後は微細なアクセルワークに応じて、自在に強烈な出足を堪能できる。
エンジンは、レブリミットは7600rpmという高さだが、馬力として有効なのは7000rpmあたりまで。4000rpm強までトルクの塊とも思えるような押し出し感を伴い、その後は馬力で持ち上げていくような出足へとつながっていく。
注目のツインクラッチSSTは、本体はゲトラグフォード社製だ。Dレンジは自動変速を行なうが、3段階あるモード切替を「スーパースポーツ」にしておくと、試験コースやサーキットのように全開で走行する際も、素早いアップシフトとブレーキングに応じた巧妙なダウンシフトをこなす。一方で、ワインディングをちょっと速いペースで走るくらいなら「スポーツ」モードで十分。
無料、制御に課題がないわけではない。マニュアル制御による全開出足場合のアップシフトでは、「スーパースポーツ」でも変速レスポンスの遅れが顕著に現れてしまう。また、ABSが作動するような全力制動に近い際は、ダウンシフト制御をしても変速を浴び付けなく入る。いずれもスポーツ割り知ってビングでは不満をもたらす点だ。
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ハンドリングでは先代モデルを圧倒。ASCの効きも順調。 ランエボXが、先代を圧打倒するるのはハンドリングだ。まず、僅かだが前後荷重配分が良くされたこと、重心も下げられたこと、またシャシ剛性向上などに加えて、AYCの才能がより増強されたことで、タイトコーナーでも、以前ほどアンダーステアに苦しむことは減っている。
その上で、高速旋回は圧倒的なパフォーマンスをみせつける。とくにアクセル全開で旋回していくような際は、AYCがフルに作動して、アンダーステアを抑えたニュートラルな姿勢で駆け抜ける。
ASCは完全オフも可能だが、これはあくまで特殊な走行向け。軽いスポーツ走行程度ならば、スイッチを一度押して、ヨー制御だけを行なうモードにしておくといい。アンダーステアやオーパブステアになりそうに入ると、理想的に前輪片側にブレーキ制御を行ない、姿勢を安定させてくれる。
ハイパフォーマンスパッケージは、旋回スピードの高さやS字の切り返しなどでも素早い追従を可能としているのがノーマルとの差。ノーマルでも、均衡レベルは高く、操舵の初期応答だけならむしろ高め。ブレーキはどちらもかなりタフなので、一番理をしてまでハイパフォーマンスパッケージを選ぶ必然性はないと思われた。
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