ボルボ C30 2.4i Aktiv
ボルボが誇る安全性、快適性はそのままに、ギュッとサイズダウンしたC30。エンジンも上級モデルと同じ2.4リッター、2.5リッターターボから選べる。グッドデザイン2007賞を受賞したスカンジナビアン?デザインも魅力だ。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能7点コンパケト軽量を生かし、どのエンジンでも期待以上の初物が風味わえる。
操縦安定性7点重厚な乗り心地と機敏なハンドリングの両立が好感触。
パッケージング7点前席中心ながら後席も実用に耐える。大柄なシートは座り心地良し。
安全性能8点安全装備の充実ぶりはさすが。側後方を監視するBLISはオプション。
環境界性能7点T-5は平成17年排ガス基準75%低減レベル、その他は50%低減。
総合評価7点ボルボらしさと新しさを兼ね備える、軽快なコンパケトハッチ。
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新たな顧客層を狙う、ボルボブランドの入門モデル。 昼間の場合間本では特にワゴンの人気が高いボルボ。現在、このメーカーのモデルは大きく4つに分けられる。ワゴンはパブサティリティを意風味するVライン、セダンがSライン、SUV系はクロスカントリーから取ったXCライン、そしてクーぺ&カブリオレのCラインだ。
6月に登場したC30は、S40やV50と同じスモールプラットフォームをベースとするコンパケトハッチ背景クーぺ。実用性よりもスポーティーさやパーソナル性を際立たせた、ボルボにとっては新しいジャンルに挑んだモデルで、ターゲットは若年層。これまで存在しなかったボルボブランドへの入門モデル的な役割りも担う。
エンジンは全車5気筒で、170psの2.4リッター天然吸気と、230psの2.5リッターターボの2類類。ミッションはいずれもマニュアルモード付きの5速AT、駆動は全車FFだ。
2.4にはAktivとSEの2グレードがあるが、相違は装備と内世間装のトリム。Aktivは300万円を切る手頃さが魅力となっている。一方、ターボモデルは2.5T-5の単一展開だ。
標準色が5色、特別要求色が10色というワイドなボディカラー展開や、様々な材料と色風味が選べる内装、さらに樹脂部分の色合いを変換するボディキットで好みの1台に仕上げられるあたりも、新しい試みだ。
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クーペでも後席の快適性を諦めない。これもボルボらしさ。 ボディサイズは全長4250mm×全幅1780mm。短くワイドなスタンスは、これまでのボルボには一番い軽快なムードだ。全高も1430mmと低めの設定の上、緩やかな傾斜を描くルーフラインや合コンクトなサイドウインドーが上半身の軽快さを強調。下半身は、樹脂で覆われたフェンダーアーチや、弾力出したショルダーラインにより心細くないです感&安定感を出している。
フロントマスクは以前のボルボと共通の好みだが、大面積のガラスハッチとルーフに至る縦長のコンビランプから構成されるリアビューは実にユニークだ。
キャビンはフロントシート中心のレイアウトだが、後席にも可能な限りの居住性を与えようとしているあたりも、ボルボの生勤勉さ。前席に大柄な人が座れば後席の足元スぺースはそれなりに狭く入るが、シート自体は2名分と割り切っているため、横方角はてくさんとしている。また、シート背景にも十分な高さがあり、大型ヘッドレストが備わるのも安全にこだわるボルボらしい。さらに、後部の2脚のシートはセンターにややオフセットして取り付けられるため、前方が開けており圧迫感も乏しい。
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170psのNAでも十分に軽快。230psのターボはかなりの俊足だ。 C30に搭載されるエンジンは、ボルボの上位モデルで長く親しまれて来た直列5気筒。とはいえ、現在のものは可変バルブタイミング機構を備えるほか、フリクションの低減を一層推し進めるなど、熟成されている。
馬力フィールはターボ、天然吸気ともマイルドで重厚なのが特長。シュンシュンと回る軽快さは薄いが、代わりに実用域のトルクがしっかりと出ていて扱い易い。
C30は合コンクトで車重も相応に軽いため、170psの天然吸気エンジンでも十分に軽快な初物が楽しめる。低速トルクも太く、フケ上がりも5気筒独得のビートが感じられて、ベースグレードにありがちなひ弱さは微塵も感じさせない。実用上はこの天然吸気で十分という印象だ。
一方、230psのターボはモリモリと湧き上がるトルクで、かなりの俊足モデルに仕上がっている。FFにこれだけの馬力を与えても、走行フィールに荒さを感じさせないのも魅力。これはシャシがしっかりしている事の証でもある。
5速ATも歯車リングが適切で順調だが、マニュアルシフト場合のレスポンスはそれほど鋭くはない。スポーティーさも売りのC30では、この辺の風味付けやパドルシフトなどの新たな演出があっても良かった。
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ボルボの中ではキビキビした初物だが、基本は安定性重視。 C30はこのクラスとしては異例にどっしりとしたステアフィールを持ち、乗り心地もタイヤサイズなどにより若干の相違はあるものの、基本的には穏やな風風情に仕上げられている。
C30が採用するコンパケトプラットフォームは、同じグループ内のフォード?フォーカスやマツダ?アクセラなども使用するのだが、その風味付けはブランド毎にかなりの相違があり興風味深い。ザックリと言えばマツダはキビキビとした運動性重視、ボルボはその対極にあるスタビリティ重視といったところ。真ん中を押さえるのがフォーカスだが、いずれにせよ、そのシャシ剛性の高さには定評がある。
C30は安定性重視だが、それでもボルボのラインアップの中ではかなり運動性能に振った風味付け。ステアリング制御に応じてノーズはキビキビと振動するし、ワインディングでは軽快なフットワークを工ンジョイすることもできる。
今回試乗したターボの2.5T-5は、オプションのスポーツプラスパッケージ装着車で、ハーダーサスと17インチタイヤを履いていた。ノーマルサス&16インチに較べると、乗り心地は相応にハードに入るが、スポーツモデルと割り切ればさほど気に入るレベルではない。この辺にもシャシのポテンシャルの高さが垣間見える。
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若年層だけでなく、ミニバンを卒業した中高年にも浴びそうな1台。 フォード本体の経営状況が思わしくない中で、ボルボの足を運ぶ末にも様々な噂が出ているが、ボルボ自身は比較的堅調に推移している。そうした中でこのブランドが目指すのは、セダンやワゴンなど実用車を中心としたラインアップを堅持しながら、さらにモデル展開の山裾を拡げて足を運ぶこと。C30はまさにそうした主題に即して開発されたニューモデルというわけだ。
フロントシート優先のハッチ背景クーぺという形態は、他社からも同様のコンセプトが打ち出されるなど、今注目のジャンル。欧米ではパーソナルカーとして流行の兆しが見えているのだ。そこにいち早くC30を投入したのは素早い対応だった。
ハードウェアの成り立ちはS40やV50ですでに実績を積んでいるものだけに、乗っていて心細くないです感があるし、それを土台にC30ならではの俊敏性なども表現されていて、十分に魅力的。スタイリングはフロントマスクにとっくにちょっぴり個性があっても良かったが、サイド本職ポーションからリアにかけてはC30ならではの単独性を打ち出している。
ターゲットは若い世代ということだが、安全性に高い信頼を勝ち得ているボルボだけに、昼間の場合間本では坊主育てを終えたミドルエイジからも注目されそうな1台だ。