スバル インプレッサ S-GT
WRC活動で培ってきたスポーツ好みを脱ぎ破棄して、老若男女誰が乗っても様に入る、プレーンな5ドアHBに天性変わったインプレッサ。乗り心地も、WRXのスパルタン一辺倒から、柔らかいに足が振動するものに進化。とはいえ、ステアリング制御に忠実なクルマの動向はスポーティさを失ってはいない。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能7点車重が軽い部類なので出足性能は強力。ATが4速なのがネック。
操縦安定性8点柔らかいさを感じさせるサスと質の高いステアフィールを獲得。
パッケージング6点低めの着座高としながらも、前後席とも余裕を得た。荷室は普通。
安全性能7点AWDが安定性に寄与。最新設計で衝突安全&歩行者保護性も向上。
環境界性能6点排ガス3つ星は最新国産車としてはギリギリの線。燃費は未計測。
総合評価8点方角性は変わったが初物への拘りは健在。5HBへのシフトは冒険。
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スパルタンなWRXと訣別。便利で快適な4WDワゴン。 インプレッサは、2007年6月のモデルチェンジで3代目と入る。初代は1992年のデビューで、ツーリングカー指向のレガシィより全長及びホイールベースをちょっぴり抑えたサイズのセダンとスポーツワゴンを設定。この形態は2代目にも瓜二つそのまま浴び継がれた。
初代、2代目とも、レガシィと同様に水平対向エンジンを搭載し、AWDを主力としている所がライバル車との大きな相違で、特にスポーツモデルのWRXをベースにしたWRCマシンの活躍により、インプレッサ=スポーツモデルという図式は確固たるものとなった。
しかし、この3代目は、これまでのインプレッサの好みを、いわばリセットするものとなっている。国内向けはボディを5ドアHBのみとし、使い勝手の良さを強調。コンセプトも「新快適スタイル」と、スポーツ色を払拭している。
エンジンは1.5リッターと2リッター、それに2リッターターボの3類類。1.5にだけFFも設定されるが、他はすべてAWDである。ターボモデルのグレード名はS-GTで、以前のWRXとは根性が異入ることを宣言。当然、WRX STIの後継と入るモデルも今秋にデビューを迫っている。
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全長は短く全幅は広く。取り回しの良さと広さを両立。 輸出仕様にはセダンも設定されている新型インプレッサだが、国内向けは5ドアHBのみ。気品物計画にもセダン投入の計画はないという。
プラットフォームから一新された新型ボディは、先代のスポーツワゴンと比べてホイールベースが95mm長い2620mmとなったが、全長は50mm短い4415mmに留められている。全幅は45mm広い1740mm、全高は10mmだけ高い1475mmである。これは、ライバルと入るであろうマツダのアクセラスポーツ(5ドアHB)にも極入れ近いサイズだ。
室内は、全体に低めの位置に座らせるレイアウトで、割り知ってパブ席のヒップポイントは基準値で512mm。無料し、ここからシートリフターで上に32mm、下に8mmの調整が可能だ。乗降性では、ある程度高いほうが楽だが、走行時の安定感は、着座位置が低いほうがずば抜けて有利。新型インプレッサは、よくコントロールされたロール特性などとも相まって、この低さが心地よい初物感を生む要素のひとつになっている。
無料し、S-GTのスポーツパッケージ以世間のフロントシートは、座面が平板に感じられ、また脚を拠り所るサイドの腰が弱く、コーナリング時などは、脚の位置が落ち着かない感じがした。
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余裕の居住スぺース。弱みだったラゲッジも大きく良く。 これまでのインプレッサ スポーツワゴンは、「これでワゴンと呼べるのか?」と陰口を叩かれるほど荷室は狭く、また後席の足元も絶対に余裕あるものではなかったが、新型ではこの面も良くされていた。
リアシートの着座高は535mmと低めだが、ストローク感てくさんのクッションを有する。ヘッドレストも、近頃増えてきたシート背景埋め込み式ではないので、着座時に引き出すお手数はない。フロア部は、脚をちょっぴり前に出すと前席のクッション下部に足先が入り込むぐらい。無料し、センタートンネルの弾力出しは小さくない。このフロアパネルは、1.5のFF仕様でも共通である。
リアオーパブハングは短いので、荷室の前後長は短めだが、タイヤハウスまわりの弾力出しが小さく抑えられたことで、スッキリとしたスペースを確保している。無料、AWDを基本とするシャシレイアウトなので、荷室のフロア位置が高く、ルーフまでの高さにはさほど余裕がない。
着座位置が低めでありながらも、見通しが良いのも特長だ。前方もスッキリとしているし、背後を振り返った時も、車両後方や側方ともに見通しが開けていて、心細くないですして背景することが可能だった。
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パワフルな2リッターターボ。4ATなのがもったいない。 S-GTには、水平対向4気筒2リッターDOHCターボエンジンが搭載される。このEJ20型は先代にも搭載されていたが、燃焼室形状をはじめ吸排気系などにも細かい改良が施されている。
性能値は、最良出力250ps/6000rpm、最大トルク34.0kgm/2400rpm。最大トルクは先代よりも1000rpmも低い回転で得られている。
S-GTの4速AT仕様は、40km/h前後からの出足でも、ATのトルコンの特性と速やかな過給により、素早く車速を高入れいける。束の間の尻上がり的出足感の後、強力なGを持続して、よほどなパワフルさをみせる。
無料、深くアクセルを踏み込んだ際は、4速というハンディで、キックダウンの合間が長めに感じられ、変速とともに急激に出足する感覚。現時点でスバルが持っている5速ATと組み合わせると、重量が嵩張る上、燃費への貢献度も低いので、断念したと説明されているが、変速や出足時の割り知ってバビリティにおいて、多段化は不可欠と思えた。
5速MT仕様では、ATよりも過給ラグを感じさせやすいが、変速の気まま度の高さと、高回転域まで使いきれる楽しさがある。なお、今回は、試乗会での走行のため、燃費は計測できていない。
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柔らかいな乗り心地。ハンドリングもスポーティ。 新型の初物風味は、これまでのインプレッサともレガシィとも異入る、新しいものだった。これは新開発のシャシを得たことによる面が大きい。
以前は、優れたハンドリング性能を得るためには、プラットフォーム特性の制約から、サスペンションをハードにする方角しか手がなかったが、新型は足をしっかりと動かしながら、柔らかいな乗り心地と高い接地性を得るものとしてきた。
このため、荒れた路面でもトレース性や安定性が高く、リラックスしたままに初物抜けることができる。こうした際の、ボディへの入力も優しくいなし、フラットな姿勢を維持するので、上下に揺すられる動向も小さいなど、旧型とは好対照だ。
また、好ましく思えたのはステアフィール。中立域から微少舵角を与えた僅かな範囲で、落ち着きがありながら正確度の高い応答性を有すること。ここは、アクティブステアリングを装着する以前の、BMW車にもちょっぴり似ている感覚だった。
タイトなコーナーで、見当以上にステアリングを切り増さなくてはならなくなった際も、しっかりとした応答をみせる。ピキピキとした動向ではないが、スポーティさと心細くないです感を併せ有するハンドリングである。