三菱 コルト RALLIART Version-R
合コンクトカーは数あれど、どれも実用性優先で初物が物足りない…という方に丁度なのが、このラリアート?パブジョンR。1.5リッターターボに、欧州仕様ベースのローダウンサスペンションを採用。スポット溶接を増し打ちするなど、ボディ剛性もアップ。その刺激的な初物を5MTで小手調べに。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能7点扱い易さと速さを両立。無料、官能性はいまひとつか。
操縦安定性7点以前から大きく進化。シャープではないが楽しさは確保。
パッケージング6点実用ハッチ背景の良さはそのまま維持。無料し定員は4人。
安全性能7点このクラスでASC標準装備は希。他は普通レベル。
環境界性能6点ターボで排ガスレベル3つ星を獲得。実用燃費は未計測。
総合評価7点尊い国産の本格ホットハッチ。値段も抑えられている。
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スポーツ心を刺激する内世間装。お手頃値段も魅力。 国内のスポーツモデルマーケットの縮小傾向は、歯止めがかからないようだ。ここ近頃でも、トヨタがセリカの、ホンダがインテグラの生産お釈迦を公表するなど、かつては各社スポーツモデルの代表格だった車類が姿を削除していっている。
そうした中、唯一気を吐いているのが、スズキのスイフトスポーツである。見詰めた目や初物に魅力を感じさせるホットハッチが手頃な値段で提供されれば、それを追求する層は少なからず残っていることを、このクルマは示している。
三菱も以前からコルトにラリーアートと呼ぶスポーツグレードを設定していたのだが、リコール隠しによる好み低下の後遺症や、スポーツモデルとしては地風味な内世間装などもあり、存在自体があまり知られていなかった。
06年5月に発売されたコルト ラリーアート?パブジョンRは、このラリーアートに代わる新グレードだ。オーパブフェンダーを採用するなど、内世間装から、ひと目でスポーツモデルとわかるものとし、初物もボディ剛性から見修理して磨き上げた他、以前のCVTに加えて5速MTを新設定するなど、スポーツマインドを刺激する内容となっている。値段は200万円を切る。
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レカロも選べる前席。4人乗りだから後席もゆったり。 全長は、新デザインのフロントバンパーの採用で40mm伸び3925mmとなった。スイフトスポーツの3765mmに比較するとひとまわり大きい。
オーパブフェンダーは、絶対に装飾ではなく、大径タイヤを収めるために、元のフェンダーアーチを切り広げた上でカパブをしているもの。それでも全幅の拡大は15mmに抑えて、1695mmと5ナンパブ枠に留入れいる。全高は15mmローダウンしたサスペンションの採用で1535mmと入る。
樹脂製ブラックのオーパブフェンダーやスクエア形状とした前後バンパーとその下部に配されるエアダム、ボンネット上のエア特ダネなどにより、他のコルトとの差違は明確だ。いかにもホットハッチらしいムードを全面から醸し出している。
室内で以前と大きく異入るのは、後席のシートクッションがベンチタイプとなり、2人掛けに変更されたこと。このため、定員も5人から4人乗りとなった。この後席は足元、鶏冠上とも十分に広く、実用性は十分に高そうだ。
前席は以前と同じスポーツシートだが、試乗車にはメーカーオプションのレカロ社製フルバケットシートが装着されていた。これは高いフィット感、サポート性と快適な着座感が得られる。
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力強さはさすがターボ。気むずかしさもない。 エンジンは以前と同じ1.5リッターDOHCターボだが、排気系などを改良し、最良出力154ps/6000rpm、最大トルク21.4kgm/3500rpm(5速MTの時。CVT仕様は18.3kgm/2500rpm)と、出力は5ps向上している。
ターボの威力はなんといってもトルクの増強が著しいことだが、5速MTでは発進出足のほんの束の間のところに、過給が十分に立ち上がらないことから僅かにもたつき感がある。この点ではCVT仕様のほうが、その部分を感知させにくく軽快だ。
しかし、ひとたび動向出してしまえば、僅かなアクセルの踏み込みでも強力な出足が得られる。とくにワインディングの上り坂や、高速域からでもグイグイと車速を伸ばすパワフルさは、ターボエンジンならではのもの。
エンジンは、6000rpmを越えるところまで力強くかつ軽く吹き上がるが、シャープというほどのレスポンス感はもたない。その分、クラッチワークに気を使用する不可欠もなく、また5速40km/h以下といったコンディションでも異常なく走れてしまう。
ちなみに、5速MTはドイツのゲトラグ社製。シンクロ容量等に不満はないものの、シフトフィールの小気風味良さはあまり望めない。
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スポット増しと補強材による剛性アップが効いている。 以前のラリーアートとの相違は、なんといっても操安性能にある。ノーマルモデルのコルトは、他の国産合コンクトと同様に、世界レべルでみればお世辞にもボディ剛性が高いとはいえなかった。
三菱では、このクラスのボディ剛性のベンチマークをBMWのミニ?クーパーSとして、それに近い剛性を得られるような改良を施している。具体的には、各パネル部のスポット溶接点数を以前の約1.5倍まで増やし、さらにDピラー(リアピラー)やフロア部の重要な場所に補剛部材を追加。
これらは、数値解析だけではなく、割り知ってパブの感性による気持のいいハンドリングを得られるよう、人の感覚を重視して試行錯誤を繰り返したものだという。
サスチューニングの基本は、コルトの欧州専用ターボモデルのコルトCZTで、ステアリングの歯車比も同様に16.1から15.1へとクイック化されている。無料し、高速での直進性を最重視する欧州モデルとは異入る昼間の時間本専用のチューニングである。ブレーキに関しては、パッドも高速からの安定した効きを重視する欧州仕様と同一で、このため「鳴き」に関しては、ある程度の覚悟は不可欠のようだ。無料し、試乗中には「鳴き」は体験しなかった。
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心細くないです感と楽しさが均衡したハンドリング。 初物出してすぐに知れるのは、ボディがはるかにしっかりとしたことだ。205/45R16サイズのタイヤからの入力を浴び止入れ、固められたサスペンションが順調に動いている。
乗り心地は、荒れたアスファルト路面などにおいても、上下にせわしなく揺れる動向は抑えられているが、とくにリアサス側からの突き上げ感は大きめ。スポーツモデルとしては容認できるレベルだが、後席に乗る人は少々キツいかもしれない。
ハンドリングは、ステアリングセンター付近にちょっぴり甘さを残すが、舵角を増しても接地感はしっかりとしている。前輪と後輪の接地均衡は、スズキ?スイフトスポーツほどリア側が流れる動向ではなく、アンダー感を伴いながらも、きっちりとメロディーがる感覚だ。無料し、限度域でのタックイン(巻き込み)傾向は意世間と大きめだった。
当然、国産のこのクラスには珍しく、MT仕様にはASC(横滑り防止装置)が標準装備で、イザとなればこれが作動して姿勢を引き戻してくれる。昼間の時間常は、その介入の敷居値が適切で、邪悪魔に感じさせることは滅多にない。心細くないです感と楽しさが均衡した初物に仕上がっていると思えた。