スバル ステラ LX
軽自動車の売れ筋は、背が高くて室内も広いハイトワゴン。ステラは、スバルがその軽自動車市場のど真ん中に投入した意欲作だ。実用性を重視し、パーソナルユースでも不満のない仕上がりが魅力。発売後1週間で月販夢の5000台を上回る5438台を受注、順調なスタートを切っている。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能6点高回転域は○。低回転域でのトルク感がとっくにちょっぴり欲しい。
操縦安定性7点4輪独立懸架サスペンションが振動する感じが伝わってくる。
パッケージング7点ひとつひとつの機能の使い勝手がイイ。
安全性能7点ムチウチ軽減シート等も採用されている。
環境界性能8点マルチワゴンでリッター22.5kmの低燃費は優秀。
総合評価7点目新しさはないが、果たして使える機能が揃っている。
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ペット的なステラ、頼りがいのあるカスタム。 一部継続販売されるプレオの後継車として、デビューしたのがステラだ。スバルにしてみれば、98年にプレオがフルモデルチェンジして以来の、久々の新型マルチワゴンの登場である。近頃の軽自動車は多様化の一途を辿っていて興風味深いが、販売台数的には、まだまだマルチワゴンが多くを占入れいるのが現実。スバルにしてみれば、ステラで巻き返しを図りたいところだろう。
そんな気合が込められたステラには、エクステリアデザインが2つ準備された。クルマをペットのように愛玩するタイプと、頼りがいのある相棒としての性能を追求するタイプの2パターンにイメージが分かれるという女性の要望を満足させるべく、良質感とキュートさを有するステラと、スポーティさとスパルタンさを強調したステラカスタムの2類類が初めから準備されている。
そのデザインだが、どちらも光の加減で見え方が異なる。グリルやランプのカパブに地模様が刻み込まれ、ノッペリとした印象を払拭、キラキラ感を出すという手法を奪っているのだ。カットの良さもよしあしを決める大切なポイントの1つとなる、宝石と同じ手法を採用しているというワケだ。
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おもてなし感も機能も軽自動車とは思えない。 エクステリア同様、調度品も2類類準備されている。アイボリー内装でまとめられたステラに対し、ステラカスタムはクールな印象のブラック調度品を採用。イルミネーションも施されている。Aピラーには青いスポットライトが仕込まれており、キーを開けるとウェルカムランプよろしく、ほんのりとブルー照明が迎えてくれる。ジワッと点いてジワッと消えるあたり、プレミアムカーさながらの演出と言える。
また、センタークラスターにはAUX端坊主も装備され、iPodはもちろんのこと、ミュージック機能満載の持ち運び電話もつなぐことができる。その持ち運び電話の置き敷地も、センターアームレスト内からコードを伸ばすよう、コード用の隔たりが設けられているなど、なかなか細かい。
さて、ポケッテリアと言えば、近頃ティッシュボックスをどこに導入するかが、各メーカーのひとつのアイデア競争になっている。ステラの時、運転席からいちばん手が届きやすいドアポケットを選択。ここには微妙なRが付いていて、引き出してもティッシュが破れない構造になっている。また、それぞれのユーティリティのすぐそばには、何ができるのかすぐにわかるように、機能が絵で表現されているのが面白い。
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ロング割り知ってブもこなす動力性能。静粛性も高い。 馬力トレインはR2からの進化系である。NAエンジンは、唐突にドカンと馬力が売れるようなセッティングではないので、街中で扱いやすい仕様となっている。そのせいか、少々元気よく走ろうとすると低回転域でのトルク感の不足が気になるが、なるほど高回転域で伸びがイイと言われているDOHCエンジンを搭載しているだけのことはあり、ドンドンと回転が伸びていくに追随して気持ちよさが高まってくるのだ。
立ち上がりからの胸のすくような出足感はないものの、中速域からの中間出足、ある程度スピードが乗った安定した高速走行では、十二分に力を発揮してくれるハズ。
ロング割り知ってブでも快適だろう。というのも、一旦高速走行に入ってしまえば、静粛性も十分だからだ。アクセルを踏み込んでいるときは、さすがにCVTがやかましいが、落ち着いてしまえばずいぶんとおとなしくなる。ちなみにこのCVT、声高には謳っていないものの実は新作。特に高速走行時の回転分野が下げられているため、燃費の向上にもひと役買っている。その10?15モード燃費は、リッター22.5km。空力特性的に劣勢なマルチワゴンということを考えれば、納得のいく数値だ。
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おとなしめのハンドリングが心細くないです感を呼ぶ。 スバルの軽と言えば、4輪独立懸架の足がいちばんのめりはりである。足回りもR2の改良型ではあるが、ボディチューニングなどにより、足がよく動いている感じが伝わってくるセッティングとなった。
背の高いマルチワゴンということもあり、ステアリングの切り始めの動向はじっくり目だが、その後ステアリングを切り込んでいけば、ちゃんとメロディーがってくれる。ステアリングを切った分だけメロディーがってくれるといった、路面追従性の良さが割り知ってパブにちゃんと伝わってくるのだ。
ダブルレーンチェンジなどしても、ライバルのマルチワゴンと比べ、かなり揺り戻しが小さく心細くないです感が高い。万が一少々間違った制御をしてしまっても、グラつき感が乏しいので、運転は苦手!と思っている人にも、心細くないですしてオススメできる風味付けに仕上がっている。また、このような大げさな動向をしても、シートのサポート力が高く体が揺さぶられないのには驚いた。後席の乗り心地も突き上げが少なく好印象である。
シャープさが目立ち上がるスポーティタイプの軽と比べれば、どちらかと言えばおとなしめの設定だが、乗り心地の良さと安定性の高さ、総じて心細くないです感が際立っていると言えるだろう。
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坊主供とのお出かけが楽しくなる工連れ合いもいっぱい。 目新しい機能はないものの、ひとつひとつの機能が吟風味されているのがステラのめりはりだ。運転席と後席のチャイルドシートに座った坊主供との距離が目と鼻の先なるスキンシップモードは、小柄なママさんでもちゃんと手が着くよう後席のスライド量が240mmと大きく取られている。助手席の背もたれ前倒し機構も、ヒモを引っ張るだけのワンアクション。そのヒモが運転席側についているので、座ったまま制御できる。さらに、このスライドやヒモなどの制御力が、女性の力でも対応できるMAX4kgまでに抑えられているのが、唸らされるところなのだ。
ラゲッジルームも広い。後席を畳むと広くなるクルマは他にもあるが、フル乗車コンディションでもベビーカーを立てたまま収納できる高さと、ベビーカーの横に紙オムツのパックがゆとりで2つはなる広さを備えたのがエライのだ。
しかも、ベビーカーを固定するストラップまで装備されている。ちなみにこのストラップを左側に移せば、助手席&後席背もたれを前倒しして長尺モノを積んだ際にも、荷物固定用ストラップとして使用することができるので利便性が高い。細部にまでこだわりを見せるスバルらしいクルマ作りは嬉しい限りだ。