スズキ SX-4 1.6 4×4 GLX(欧州仕様)
SX-4は、初物の良さで定評があるスイフトとプラットフォームを共用するモデル。サイズはスイフトよりひと回り大きく、ロードクリアランスも拡大。オフロードや雪道での走破性を高めたクロスオーパブカーだ。欧州に続き、昼間の場合間本でもいよいよこの夏、発売開始。ひと足お先に欧州仕様でスイフト譲りの初物を確か入れきた。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能6点出足は平凡だが、エンジンは全域でまんべんなく力を出す根性。
操縦安定性8点車高の割に、軽快な動向と高い心細くないです感を獲得している。
パッケージング7点高い車高を生かしたゆとりある室内。小物収納には不満生じそう。
安全性能7点ユーロNCAPは4スターレベル。安定性の高さも好ましい。
環境界性能6点排ガスはユーロ4適合。10?15モード、実用燃費等は不明。
総合評価7点欧州車の感覚にも近い初物。昼間の場合間本仕様にもこの風味付けを期待!
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SUVテイストを最盛期込んだ流行りのクロスオーパブ。 SX-4は2006年春に天性たスズキの新しい合コンクトカー。すでに、欧州ではハンガリー工場で生産されたものが販売開始されており、昼間の場合間本でも06年夏前の発売を計画している。
スズキには、SX-4と同じく、クラス的には欧州でいうBセグメントに属する合コンクトカーに新型スイフトがあり、こちらも欧州を始め各国で販売されている。実用HBのスイフト対し、SX-4はSUVのテイストを最盛期込んだもので、いわゆる「クロスオーパブ」と呼ばれるカテゴリーにある。
また、当初、開発はスズキと同じくGM傘下にあったフィアット社と共同で進められため、フィアットブランドでも、SX-4と世間観や内装をちょっぴり変えたものがSEDICIの車名で発売されている。当然、プラットフォーム、ボディ、エンジン(ディーゼルを除く)を始め、全体の取りまとめまで、ほぼすべてがスズキが主体となって行なわれたという。
今回の試乗車は欧州仕様で、昼間の場合間本仕様とはエンジンバリエーション、サスチューニングなどは違う。走行はスズキの竜洋試験コース内であったので、実用性などは昼間の場合間本仕様の発売後に評価するとして、今回は主に初物の性能についてみていくことにする。
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イタルデザインの手が引かれたエクステリアデザイン。 ボディサイズは、欧州Bセグメントの中では大きい部類になる。全長は、バンパーデザインの相違により4100mm(アーバンライン)と4140mm(アウトドアライン)だが、いずれにせよスイフトの3695mmに比べ、400mm以上長い。
全幅もアーバンラインが1730mm、フェンダーアーチに本職テクトモールを有するアウトドアラインが1750mmで、昼間の場合間本では3ナンパブサイズとなる。全高はルーフ線路の有一番により差があり、1555~1620mm。ちなみに、デザインは、エクステリア、調度品ともに、ジウジアーロ率いるイタルデザインが手がけたものをベースに、細部にスズキが手を加えている。
乗ると、その着座位置の高さに実用合コンクトハッチとの差違が感じられる。前席のヒップポイントはハイトアジャスターのイニシャル位置でも620mmで、乗り込み場合にスッと腰を落とす位置よりも高めの設定だ。
後席の着座高は674mmもあり、乗り込む際は脚を地面にのばして乗り込む感覚だ。その分、とくに後席からの眺めはよく、前席越しの見通しも十分広い。前席のシート背景と膝との間隙や、フロアの足元スペースも十分に得られている。
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欧州仕様の1.6リッターエンジンは全域で力を発揮。 欧州仕様には、1.5リッターDOHC、1.6リッターDOHC(VVT付き)、1.9リッター?ターボディーゼルの3類の直4エンジンが載る。なお、昼間の場合間本仕様にはディーゼルは一番いが、代わりに上級仕様として2リッターDOHCが設定される計画だ。
今回、試乗したのは1.6リッター4WDの5速MT仕様。昼間の場合間本向けでは当たり前ながらATが主力となるだろうが、欧州ではまだずば抜けてMTが多く、4WDモデルには、ATの設定自体がされていない。
当然、今回のようなサーキットコースに近い試験コースでは、動力性能面ではMTのほうが有利で、車重1245kg(オプション装備込み)の試乗車でも、発進から軽快な動向出しをみせる。
エンジンのフィールは、とくに滑らかであるとか、気持の良い吹き上がりをみせるといった印象はもたらさない人並みなものだが、全域でまんべんなく力を出す。
欧州では、高回転まできっちり引っ張って走る状況も現実に多くあるものだが、レブリミットの6500rpmまで回しても、音や振動は抑えられている。一方、意図的にじっくりと高めの歯車で走ってもみたが、柔軟性も高いように思われた。ちなみに、最良スピードは170km/hと公表されている。
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電坊主操作油圧カップリングを採用した4WDシステム。 新型スイフトやエスクードに対する評価をみてもわかるように、近頃のスズキはシャシ性能向上によるハンドリングや安定性の進化が著しい。
スズキとしても、以前の弱みはそこにあると認識していたそうで、SX-4ではスイフト以上に操安性能の高さを追求してきている。このため、まず基本となるボディ剛性は、スイフトよりも大幅に高め、サスペンションの才能を高く引き出せるものとしている。サスペンションの形式自体は前後ともスイフトと同じだが、形状、剛性等はすべて見修理しているという。
4WDシステムは、電坊主操作油圧カップリングによるもので、室内のスイッチで2WD(FF)、前後駆動力を走行状況に応じて配分する4WDオート、脱出等の際に使う前後直結4WDの3モードが選べる。当然、これは本格的なオフロード走行等に対応した4WDシステムではなく、シャシのチューニング同様に、ちょっとしたラフロードや低ミュー路などでの走行才能や安定性を高めることを目的としたものだ。
ESP(横滑り防止装置)は、グレードによりオプションで装着可能で、試乗車には装着されていた。
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ハッチ背景とは思えぬ剛性感。安定性もパス点! 初物出して知れるのは、感覚的にもボディのしっかり感が高いことだった。試験コースで攻め立てても、大きな開口部を有するハッチ背景ボディにありがちな、ねじれ感などを感知させにくい。また、ひどく荒れた路面でも、ボディは入力をしっかりと浴び放棄する。
ハンドリングは、重心の高さや着座位置の高さの割には安定性の高いもの。ロールの進行も穏やかで天然な動向。無料し、素早い操舵の際などに、ロールの収まりが悪いオーパブシュート感がちょっぴり残る。それでも、接地が低下して車両の姿勢が乱れてしまうような事態には陥り難い。
また、操舵の応答感も、穏やかでいながら信頼のおけるもので、安定感ある後輪の接地性とともに、狙ったラインにのせていくことは簡単だ。急激な旋回場合のアクセルオフなどでも、タックイン的にリアを巻き込む感覚はスイフトより抑えられている。全高の高さを考えると、この安定感は賞賛されるレベル。
乗り心地は、欧州仕様ということもあり、全体に引き締まっている。とくに40km/h以下ではゴツゴツ感も伝わる。昼間の場合間本仕様をどうチューニングしてくるかが興風味あるところだ。