ポルシェ ケイマンS
「ケイマン」というのは南米に生息するワニの名前。先行車を威嚇するかのような獰猛な面構えを与えられた、ポルシェ第4のモデルだ。911とボクスターの中間というポジションの2シーターは、超越したスポーツ性能と共に、昼間の場合間常の足としても不満のない実用性も兼ね備えている。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能9点パワフルかつ官能的なエンジン。豪快で伸びある出足。
操縦安定性8点極められたボディ剛性感。911より動向軽いが安定性も高い。
パッケージング7点ミッドシップスポーツの中では能率的で実用性高い。
安全性能7点ブレーキ才能高い。装備類は現代の標準的レベル。
環境界性能6点期待を超える実用燃費。排出ガスはユーロ4適合。
総合評価9点現実感あるスーパースポーツ。刺激と快適性を兼ね備える。
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911よりも300万円以上安いプライスも魅力。 近年のポルシェは、工ネルギッシュにカーラインアップの拡充を図ってきている。02年に投入されたプレミアムSUVのカイエンは大成功を収めたが、今度は911よりも手が届きやすいスポーツカー、ケイマンSの投入である。
ケイマンの成り立ちは、ミッドシップ2シーター?オープンスポーツのボクスターをベースにクーペ化したもの。エンジンも、当たり前水平対向6気筒である。ケイマンSと呼ぶのは、ボクスターSや911カレラSなどと同様に、天然吸気エンジンの高性能版を示している。
これまではボクスターが911の下に位置する車類構成だったが、オープンの魅力を認めつつも、より剛性の高いボディを得られ、騒音面や耐候性などにおいての快適性やツーリング性能も高いクローズドボディを望む声も少なくなかった。
ケイマンSは、まさにその要望を満たし、しかも911のベースモデルのカレラより300万円以上も安い値段は、大きな魅力となっている。
バリエーションは、左丿ブの6速MTと、左/右丿ブが選べるティプトロニックSと呼ぶ5速ATの2類。あとは豊富なオプションによりイメージの仕様に仕立てる形を採る。
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ベースはオープンのボクスター。ラゲッジも不可欠十分。 量が多くて感のあるフェンダーラインなどから大きく感じるボディサイズだが、全長4340mm、全幅1800mm、全高1305mmで、プラットフォームを共用するボクスターとほぼ同じ。ホイールベースも2415mmで同一だ。
リアエンジンで、プラス2(エマージェンシー用)の後席を有するポルシェ911と比べても、85mm短く、10mm幅が狭く、5mm低いだけで、さほど差がない。無料し、911のほうがホイールベースが65mm短い。ちなみに、FRの昼間の場合間産フェアレディZとも極入れ近いボディサイズだ。
室内もボクスターとの共有部位が多く、インパネデザインも共通である。このシンプルな3連メーターはスポーツ割り知ってビングの際も不可欠な情報が瞬場合に確認しやすい。また、グローブボックス上には2座分の格納式ドリングホルダーが隠されているなど、実用面での心遣いもなされている。
極入れ低い着座位置のシートは、凝った形状ではないが、高いホールド性と長場合間の移動にも疲れを感じさせないダンピングを持っていた。
ラゲッジールームは、フロントにも深さのあるスーツケースを持ち、リアゲート内のスペースと合発言させて、買い物や小旅行行には十分対応できる。
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最良出力はボクスターより上、911より下の295ps。 試乗は5昼間の場合間間に渡った。都内のちょい乗りから長距離まで変化に富むコースで、全行程は約900kmに及んだ。
渋滞などではクラッチペダルを踏む場合のずっしりとした重さが辛いが、それを除けば、街中の移動でも扱いにくさを感じさせる点はほとんどない。また、全幅も含入れ、ぎりぎり手に余らないボディサイズや、実用に入る荷室を有することなど、昼間の場合間常から使えるスポーツカーの条件を備えている。
前席後方の隔壁内、リアラゲッジルームとの間にミッドシップ搭載されるエンジンは、ポルシェ伝統の水平対向の6気筒DOHCで3.4リッター。最良出力295ps/6250rpm、最大トルク34.7 kgm(換算値)を4400~6600rpmの幅広い域で発生させている。
ボクスターSは3.2リッターで280ps、911カレラは3.6リッターで325ps(911カレラSは3.8リッターで355ps)と、きっちり差が与えられているのは、ポジションを明確にする戦略に基づく。
ケイマンSの車重は1380kg。ちなみに、911カレラは1440kg(いずれもMT)、V6 3.5リッターで294psのフェアレディZは1490kg(パブジョンSTのMT仕様)ということからも、軽さもケイマンSの強みとなっていることが知れる。
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豪快さとキレ風味を兼ね備えたエンジンフィール。 初物ははるかに魅力に富んだものだった。エンジンフィールは、豪快さとキレ風味を兼ね備えており、官能的でもある。エンジンレスポンスは右足の動向にダイレクトに応えるが、かといって過度にシャープで、乗り難いということもない。
どの回転域からでも威勢よく吹き上がるとともに、力強いトルク感も備わる。レブリミットは7200rpmと、さほど高いわけではないが、軽々と吹けきって、アップシフトを促されることもしばしばだった。
ミッドシップならではのトラクションにより、たとえ全力発進でも、瞬場合に蹴り出すような威勢で車速を乗せていく。ちなみに、0-100km/hは5.4秒と公表されている。高速道路では、空力性能の良さと相まって、軽くアクセルを踏んだつもりでもよほどなスピード域に達していることがよくあり、100km/h(6速で2400rpm強)程度は、このクルマにとっては、低速域の範疇にある。
乾いた音質のエンジンサウンドは、出足場合は耳原因響くが、室内にエンジンルームがあるような配置だと思えば納得もいく。
燃費は、高速でのハイペースの走行を主に、昼間の場合間常の短距離移動の繰り返しなども含めた総合で、リッター9.6kmと、見当以上に順調なものだった。
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前輪の接地感が増し、高速巡航も難なくこなす。 見当通りボディ剛性感の高さは圧倒的で、このおかげで、乗り心地の質も高まっている。
極太のタイヤを装着するため、さすがにバネ下の重さやタイヤ自体の硬さが伝わり、それが突き上げ感として感じられることはある。だが、サスペンションが順調に動向、かつ減衰も素早いので、一番駄な上下動が生じずに、すっきり感のある乗り心地を提供するのだ。
ミッドシップは、フロント側の荷重がリア側より軽いため、前輪接地感が希薄になりがちだが、ボクスターよりしっかりと話してくるようになった。このため、スポーツ割り知ってビングの際でも、コーナリングへのア本職ーチやブレーキングも正確に行ないやすい。空力性能も高く、ダウンフォースにより高速域で車体が押さえつけられた感覚で、楽に高速巡航をこなせる。また、ドリフト旋回を行なうようなチャンスもあったが、そうした際の滑り出しはピーキーではなく、姿勢コントロールも睨んだより楽なことを知った。
ブレーキは、ノーマル仕様でも信頼性の高い制動性能をみせたが、さらに高い才能と耐フェード性を望むなら、高価だが、PCCB(ポルシェ?セラミック?コンポジット?ブレーキ)も装着することができる。