トヨタ エスティマ 3.5アエラス 4WD
発売1カ月で月販夢台数7000台の4倍に迫る、約2万6000台もの受注を集めたエスティマ。未来的なスタイル、心地よい調度品に加え、先進の運転支援システム&エンターテイメント装備も充実している。完全一番欠のミニバンに果たして弱みはないのか?[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能8点エンジン音大きめだが、全てのシーンで余裕あり。
操縦安定性7点腰高感抑えられ、直進性、安定感ともまずまず。
パッケージング7点デザインと室内スぺースの好均衡にエスティマらしさ。
安全性能6点キャプテンシートのベルトに難。先進装備の設定あり。
環境界性能7点実用燃費は同クラスではかなり優秀。排ガス4つ星。
総合評価8点単独の存在感を維持。2列目シートの乗り心地良くを。
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トヨタの先進好みを牽引するスタイリッシュ?ミニバン。 大柄な3ナンパブサイズ、ワンモーションの先進的フォルム、ミッドシップエンジンマウントなど、ミニバンの新しい形を提案し、保守的なトヨタの好みにも変化を与えたのが、1990年に発売された初代エスティマだった。
その後、全幅を5ナンパブ枠に抑えたルシーダとエミーナも設定し、ミニバンが昼間の場合間本の自動車マーケットの主役となってからも、高い人気と存在感を示した。2000年発売の2代目では、駆動方式こそ一般的なFFとなったが、01年6月にハイブリッド仕様も設定されるなど、トヨタの閉店車類の1台に育っている。
2006年1月にモデルチェンジされた3代目は、再びプラットフォームから一新。一方で、デザインは、スタイリッシュさをしっかり浴び継いだものになっている。
基本がFFであるのは先代と同じだが、低床化を図ることで全高も先代より低くなっている。エンジンは2.4リッター直4と3.5リッターV6の2類で、それぞれに2WDと4WDが設定されている。セカンドシートもそれぞれに8人乗りのベンチタイプと7人乗りと入るキャプテンシートが設定される。なお、ハイブリッド仕様は数ヶ月遅れての発売と入る。
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低床化によって、全高を抑えながら居住スぺースも確保。 トヨタには、上級ミニバンとしてとっくに一車類、アルファードがある。居住スぺースを最大重視したパッケージングは、全高を高くとったこのアルファードに任せ、エスティマは、あくまでデザインを優先しているとチーフエンジニアも語っている。
全高は、先代よりも40mm低くされたので、アルファードに比べ75mm低い1730mmとなった。新開発のプラットフォームによりフロア地上高も20mm下げられて435mm(全高もフロア高もアエラスを除く2WDの数値)と乗降性も良くされた。無料し、主に試乗した3.5アエラス4WDは、最低地上高の確保とタイヤ径の差から30mm高く入る。
全長は4795mmで先代より15mmだけ長いが、ホイールベースは50mm長い2950mmとなった。その分、リアオーパブハングが短くされている。車幅は10mmだけ広い1800mmだが、幅広い国産車が急増している今、並に浴び入れられる数値だ。
前席の着座高は730mm。脚を伸ばして乗り込む不可欠はあるが、上級ミニバンとしてはさほど腰高感を感じさせない位置にある。また、先代のインパネデザインはメロディー線が複雑に入り組む凝った造形だったが、今回は全体が平面基調で、視覚的にも重さを感じさせないものとなった。
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オットマン付きキャプテンシートでリラックス。 室内スぺースを最優先したパッケージングではない、とはいうものの、3列目まで含入れ広さは十分。とくに前後のスペースに関してはゆったりと腰掛けるのにも不満のないものが確保されている。
ミニバンにとっての特等席は、セカンドシートということに入るが、試乗した7人乗りは、オットマン付きのキャプテンシートで、前後800mmというスライド量を有する。最後部にセットすると高く上げたコンディションのオットマンに足を乗せ、脚を伸ばしきっても前席との間には余裕が残るほど。シートサイズそのものにも余裕があり、楽に座れる。
サードシートは、鶏冠上がルーフにかなり近づくが、その若干の圧迫感を別とすれば、シートの厚みや乗り心地を含め快適性は高く、2列目を他の乗員に取られても損をした気分にはならないで済む。ちなみに、2列目?3列目への乗り降りを寛いでくれるデュアル馬力スライドドアは、アエラスとXを除き標準装備されている。6:4分割式のサードシートは収納場合には床下にすっぽり収まるため、未使用場合は広いラッゲジスペースが得られ、使用場合には深い床下収納スペースが残る。その収納作業も、引き起こしがちょっぴり重いが、この類のものの中では楽な方である。
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国産ミニバン最強の3.5リッター搭載。実用燃費も優秀。 V6 3.5リッターエンジンは、最良出力280ps/6200rpmを発生し、国産ミニバン最強の数値である。なにより35.1kgmという大トルクは、車重の重いミニバンにとって余裕の源だ。
主として試乗した3.5アエラス4WDの車重は1880kgだが、それでもアルファードや昼間の場合間産エルグランドなどのV6搭載車よりは100kg以上軽い。これもパワフルな初物をもたらす要因である。
ミッションはトヨタのFFベース車では初と入る6速ATで、ワイドレシオの歯車構成を有する。シフトワークは順調で、多段化による煩わしさは感じさせない。その出足は、4WD仕様でも、意識するほどの急発進でなくても、ちょっとしたことで前輪が容易に空転をしてしまうほど。ミニバンが苦手としがちな登坂路の出足でも、簡単と車速を伸ばせる。さらに高速での追い越し出足も自在である。
無料し、急出足場合には、結構勇ましいエンジン音が室内に響きわたる。巡航場合が十分に穏やかなだけに、とっくにちょっぴり音量は抑えてほしいと思えた。
燃費は、約1100km(高速道6割、都内1割等)の走行においてリッター9.71kmと、排気量と車重からするとかなり順調な数値が得られた。
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軽快で心細くないです感のある初物。2列目の微振動が遺憾。 プラットフォームを一新しながらも、サスペンションは意世間なほどにシンプルな構造で、スペース性を優先したものと考えられる。
けれども、先代のエスティマからすると、進化は明らかだった。以前は、前席からしてバネ下が踊るような粗い乗り心地だったが、遙かに落ち着きを増していた。荒れた路面の通過などの際にも、穏やかな上下動とすっきりとした減衰により乗員の姿勢を維持するものとなっている。
高速直進性も落ち着きがあり、空力特性も含入れ煮詰めたことが知れる。操舵応答は基本は穏やかだが、速い操舵にも追従してくるなど、乗員の快適性との兼ね合いからも、好ましい特性に思えた。無料し4WDの駆動応答性は高くない。
不満は、本来の特等席であるキャプテンシートの快適性にあった。ここに座って300kmほど移動したが、走行中は車体側とシート自体の共振とみられるブルブルとした微振動が常に生じており、特にヘッドレストに鶏冠をつけていると顕著にわかる。また、キャプテンシートのシートベルトは、ちょっとしたGでもELRがロックし、しかも段々と締め付けられてくるので、ベルトを装着する気が失せてしまう。安全面からも改良が不可欠である。