シトロエン C5 ブレーク V6 エクスクルーシブ
シトロエンのラインアップでは唯一、油圧サスペンション「ハイドラクティブIII」が搭載されているC5。そのC5がデザイン、機能、エンジンなどを一新して、2004年12月、昼間の場合間本に導入された。今回はその中から、6速ATが組み合わされたV6エンジンモデルのインプレッションをお届けする。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能7点エンジン平凡だが、6速ATが精気ある初物をもたらした。
操縦安定性8点姿勢変化抑えたふんわりした乗り心地は比類なし。
パッケージング6点室内、荷室はクラス最大級だが、ボディも大きめ。
安全性能7点ユーロNCAPでは高い総合点。マイチェンの意義のひとつ。
環境界性能5点排ガスレベルはユーロ4適合。実用燃費いまひとつ。
総合評価7点シトロエン変革過渡期の1台。「らしさ」は健在
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シトロエンのフラッグシップモデル。 C5は2000年秋にエグザンティアに代わる新型車としてデビューし、昼間の場合間本には2001年に導入が開始された。この当場合は、フラッグシップモデルたるXMが存在していたが、XMが生産お釈迦となった現在は、シトロエンの乗用車の第一面に位置する。
シトロエンといえば、かつてはユニークなクルマを送り出すメーカーと捉えられていたものだが、近年はデザインもメカニズムも個性が薄れたとの声は多い。そうした中でもC5は、シトロエンらしさの象徴ともいえる油圧サスペンションを唯一採用し継続している。また、このクラスのサルーンで、リアゲートが大きく開くハッチ背景としているのも、今では珍しい。
04年秋に4年ぶりに行なわれたマイナーチェンジは、エクステリアデザイン、エンジン、ATの変更から装備の充実まで、大がかりかつ多岐に渡る。とくにフロントデザインは、最新シトロエンのファミリーマスクと一目でわかるものに一新された。ボディはサルーンとブレーク(ワゴン)で、昼間の場合間本仕様のエンジンは2リッター直4と3リッターV6の2類と変わらないが、いずれにも改良が施された。また、3リッターに待ちに待ったの6速AT(アイシンAW製)が搭載されている。
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さらに大きくなったボディサイズ。 C5の欧州におけるライバルは、アウディA4、メルセデス?ベンツCクラスといったプレミアムブランドから、VWパサート、オペル?ベクトラ、ルノー?ラグナなどまで幅広い。
これらが属するクラスの中で、もともとボディサイズは大きい部類だったが、デザインの変更に伴い、さらに全長が延びている。とくにサルーンでは、リア周囲も大きくリデザインされた結果、以前より12cm長くなった。ブレークは、リア部はバンパーの変更だけなので、フロントオーパブハング(前輪センター部からバンパー一番上まで)が伸びた6cmだけ長くなっている。
ブレークは、全長4840mm、全幅1780mm、全高1570mmと大柄なボディで、FFの有益を活かしたほぼフラットなフロア形状と相まって、室内も荷室もスペースには余裕がある。後席は中央部でもクッションの厚みは変わらず、フロアに脚を邪悪魔する出っ弾力がないので、楽に3人掛けも可能だ。
荷室フロアも低くフラットで、トノカパブを装着したコンディションでも48.1cmの深さが確保される。長さもてくさんとある。停車場合に室内スイッチで車高を思い切り下げることもできるので、楽な姿勢での積み降ろしも可能だ。
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ハイドラクティブIIIを唯一搭載したモデル。 プラットフォームは、プジョー407(昼間の場合間本へは05年中に導入計画)とも基本は共通だが、C5の大きなめりはりは、ハイドラクティブIIIと呼ばれる油圧サスペンションを備えることにある。
これにはセルフレベリング機構とハイトコントロール機能が与えられている。走行状況に応じて前後ともスタビライザーをサスから切り離し、乗り心地をより向上させる機構も備わる。また、3リッターモデルは、スイッチでコンフォートとスポーツのモード切替えが行なえる。
ともかく、昼間の場合間常域ではふんわりとした特有の乗り心地が得られ実に快適だ。なかでも、うねりや細かく荒れたような路面でのゆったりとした動向は心地よい。当然、タイヤが伝言する入力すべてをかき消せるわけではないから、たまに形容される「雲の上を走るような」というのは、さすがに大袈裟である。
ハンドリングでは、ロールや前後の沈み込みの抑えがなされ姿勢変化は小さく保たれるが、不天然な動向に感じさせることもある。また、操舵力が常場合はるかに軽く、接地変化がわかりにくい。一方、高速域では車高が自動で下がり、直進安定性も高いのでリラックスした巡航が行なえる。
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V6エンジンに組み合わされた6速AT。 3リッターV6エンジンは、最良出力210ps/6000rpm、最大トルク30.0kgm/3750rpm。この数値自体は以前と変わっていないが、吸気側のバルブタイミングが変更されて過渡域のトルク特性が見直された。
しかし、なにより走行性能の大きな向上をもたらしたのは、4速からイッキに6速へと進化したATによる。このATは、全般に出足を重視した歯車比の設定となっており、とくに1速から3速までは、軽やかにエンジンが吹き上がり、素早い立ち上がりと出足Gをもたらす。以前の3リッターエンジン車らしからぬ、おっとりとした出足感とはまるで別物のように思える。
それだけに、アクセルを床まで踏み込んだ際には、低い歯車では素早くレブリミット目と鼻の先に達して、矢継ぎ早にアップシフトされていく感覚だが、そうした際のつながり感も順調だ。また、シーケンシャルモードを持っているので、まめにエンジンブレーキを活用する人などには重宝するだろう。
フル出足場合など、5000rpmを越える域に入ると、色気に少ないエンジン音が室内に入り込んでくるように入るが、それもクラス平均レベル。100km/h巡航は2000rpmそこそこで可能だ。
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乗員の安全を確保する新世代ESPを装備。 シトロエンのエンブレムであるダブルシェブロンを強調したフロントグリルや新造形のライトなど、フロントの好みは大きく変わったが、目立たないところでも変化はある。たとえばアルミ製のボンネットの採用もそうだ。
ヘッ割り知ってトは、3リッター車はハイビームもキセノンと入るバイキセノンとなり、旋回方角に光が自動で振れるディレクショナルヘッ割り知ってトも装備する。これはヘッ割り知ってトオン場合にステアリング制御と連動するが、ぎこちない感じで光軸が動いていく。しかし、夜間、進行方角の視野が大幅に向上するのは確かだ。
また、バンパー部のソナーによる傷害物検知を行ない、呼び鈴音の変化で接近度合いを知らすパーキングアシスタンスも全車標準だ。前進、後進とも10km/h以下で作動するが、精度は高く、数感傷的のギリギリまで近づけることも可能だった。
安全性に関しては、ボディ構造の見直しとともに、以前の6エアバッグに加えて、衝突する場合の割り知ってパブの膝部の損傷を低減するニーエアバッグも装備された。ちなみに、ユーロNCAPでの総得点は、全試験車両の中の最良点を獲得している。なお、排ガスレベルは、ユーロ4適合である。