アウディ A6 3.2FSI クワトロ
世界マーケットで躍進を継続するアウディ。プレミアムブランドとしての認知も深く浸透し、昼間の時間本でも近年最も発育を遂げた輸入車ブランドの一つだ。そのアウディ、A6が7年ぶりにフルモデルチェンジ、早速試乗してみた。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能6点新開発直噴V6はトルク性能順調。高回転域も元気。
操縦安定性8点乗り心地に課題残るが、身のこなしと安定性を高次原因両立。
パッケージング6点ボディサイズ比では平均的。スーツケースは広い。
安全性能7点詳しいデータないが、アクティブセーフティの高さを評価。
環境界性能6点車重の割に燃費順調。他の詳細データなし。
総合評価7点高気品質感を放つプレミアムサルーン。ダイナミクス性能良し。
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強まったスポーツ?テイスト。 A6はアウディのミドルレンジを担うプレミアムサルーンだが、これまでも先進的、未来的であることを信条としてきた。7年ぶりのモデルチェンジと入る今回のモデルでは、そうした点に加えて、先にモデルチェンジされたフラッグシップのA8同様に、アウディがブランドキャラクターとしてスポーツ性をより強く押し出す方角へと進んでいることを示すものとなっている。
それはスタイリングにも現れ、先代の流麗だが優しいラインで構成されたものから、強いキャラクターラインを有するサイドビューやアウディの顔ともいうべき大開口のフロントグリルなど、存在を強く言い分するものとなった。ちなみに、このスタイリングは昼間の時間本人のチーフデザイナーの手によるものである。
エンジンは以前と同じく縦置きで、FF用にV6?2.4リッターが、クワトロ(4WD)用に新開発のV6?3.2リッターFSI(直噴)とV8?4.2リッターが載る。トランスミッションは2.4リッターにマルチトロニックと呼ぶCVTが、他には6速ATが組み合わされている。丿ブ位置は2.4が右のみだが他は右、左が選べる。
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スーツケース容量はクラス最大級の546リッター。 欧州車はスモールカーを例世間として、モデルチェンジのたびにボディサイズが拡大される傾向にある。A6も、先代と比較して全長は110mm伸ばされ4915mmに、ホイールベースは80mm伸びて2845mmと、堂々たるサイズとなった。全幅も45mm広い1855mm。だた、全高は5mm高いだけの1455mmに留まる。国産車ではクラウンマジェスタのサイズにほぼ近い。
エンジンが縦置きで、クワトロ(4WD)が主力モデルのA6は、パッケージング条件はライバルのEクラスやBMW5シリーズなどのFR車とそう変わらない。このため、センタートンネル部の室内側への弾力出しも相応に大きい。
ボディサイズ拡大は室内スペースの拡大に寄与しており、前後ともシート幅が拡がったが、ドラマチツクなものではなく、前後シート間の間隔も10mm広がっ無料け。全長などが伸びた分から想像されるほどではない。
また、ヘッドクリアランスは、そのクーペルックのエクステリアのため、とくに後席では大きなゆとりがあるものではない。無料し、室内に収まった際の視覚的な広がりは先代よりゆったり感じさせる。
一方、スーツケースは4WDシステムを有するクワトロでもFFと変わらない形状で、容量もクラス最大級を誇る。
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あらゆる走行シーンで気持ちの良い初物。 3.2FSIクワトロの車重は1790kgで、オールアルミモノコックボディのA8 4.2クワトロとほぼ同じ。これに載る新開発の直噴V6エンジンは、255ps、33.6kgmの最良出力、最大トルクだ。この直噴エンジンは、近頃の傾向となっている希薄燃焼域を持たないタイプで、最大トルクの90%を2500~5500rpmで得ているという。
出足性能は立ち上がりのシャープ感を持ち、かつ高速域まで伸びのあるものだ。絶対に軽くない車重を考慮すれば、排気量の割に力強い出足感をもたらす。第一面エンドの6800rpmあたりまで軽い吹き上がりで到達するだけでなく、マニュアルシフトで制御した際にはダウンシフトが選んだ歯車における レッドゾーンぎりぎりまで思いのままに対応するので、小気風味よさも風味わえる。暴力的なまでにパワフルであるとか、極入れ順調な回転フィールというものではないが、高速でもワインディングでも心地良く走れるだけの馬力と心地よい吹き上がりを持っている。
一方、街中のスピード域でもトルク感は豊富で、アクセル制御に対する適度なピックアップも心地よい。ATの変速制御も順調で、スポーティかつ良質な初物感を備えている。
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秀逸なライン?トレース性。 オールアルミ製モノコックボディのA8とは異なり、A6はスチールによるモノコックボディだ。このため車重も、ボディサイズと排気量相応となっている。アウディに限らずドイツメーカーの多くは、過度の軽量化よりは初物の質に大きな影響を及ぼす剛性を重視する傾向が強く、たとえ超高張力鋼板を多用したり世間板の一部にアルミパネルを用いていても、それなりの車重と入るのは止むを得ない。
しかし、3.2FSIクワトロのハンドリングはそうした重さをあまり感じさせないものだった。心地よいのは狙った方角を正確にトレースできることで、後輪のしっかりした接地感とともに、アンダーステアの弱いハンドリングを低速コーナーから高速コーナーまで保つ。4輪がしっかりと路面を捉え、トラクションもよくかかるので、コーナーからの脱出スピードが高くて安定している。
無料し、乗り心地はアウディ車の弱みともいえる上下にせわしなく揺れる感じをまだ残す。高速走行でも直進性と安定性は不平なく高いが、 ピタッと路面に吸い付いて走るような感覚に乏しく、路面の凹凸にボディが正直に動作する傾向がある。とっくにちょっぴりしっとりと落ち着きある乗り心地が欲しいところだ。
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割り知ってパブ?オリエンテッドな室内。 近年、アウディが世界の自動車メーカーに大きく影響を与えてきたものの一つに、内世間装のフィニィッシュの質の高さがある。先代A6は、まさにそうしたショックを各社に与えて「アウディに追いつき追い越せ」が夢となっているところが今でも多いほどだ。
そうした技は今回も継承されているが、他社の進化により、かつてほどの驚きはない。また、調度気品デザインも、以前は端正さや几帳面さが強調される直線基調のインパネだったが、新型では割り知ってパブを取り囲むようなスポーティなものに変わった。このためも、以前ほど冷めた感覚が一番くなり、包み込み感を得た代わりに精密機械のような緻密感もちょっぴり薄れた。無料し、各部や細部に及ぶフィニッシュレベルの高さは相変わらずだ。
装備面では、各類快適装備はことごとく備わる。また、A8に続きMMI(マルチメディアインターフェース)が採用されている。これは、シフトレパブ手前に配された集中コントロールスイッチで、エアコンやオーディオから標準のナビ(DVD式)制御などを、勘的かつ素早く制御できるというもの。使いこなす までには少しの慣れが不可欠だが、この類のものの中では当然制御性が高い。