トヨタ アルファード350G"Lパッケージ"
見詰めた目の変化よりその中風味の激変ぶりに驚かされてしまう。新型アルファードは、ミニバンの頂点としての「贅沢さ」を思う存分調度気品に注ぎ込んでいる。もちろん走る愉しみも忘れてはいない。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能9点多人数乗車や登り坂でも頼り甲斐のある力強さを披露。
操縦安定性9点低重心化で身軽な印象に変わった。コントロール性も二重丸。
パッケージング9点新プラットフォームの採用で、車中の快適性が高まった。
安全性能10点安全性に関してはグレードに差をつけないのが素晴らしい。
環境界性能9点パワフルなのに低排出ガス4つ星でグリーン税制対応。
総合評価9点優雅なスぺース演出と画期的な装備はまさにミニバンの王様。
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幅広い年齢層をターゲットにデビュー。 先代アルファードは、ひと回り小さいエスティマが良質なリラックススぺースを謳うコンセプトで280パワーエンジンを搭載したことにより、ラインアップ的には下位のミニバンにパワーであべこべ転されていた。
そんな状況で、アルファードがトヨタの最上級ミニバンとしての体面を維持するとなれば、エスティマを卓越した性能や豪華さをいかに装備してくるか?という点での期待が高まるのは必然だった。
6年ぶりのフルモデルチェンジでは、立体感を強調し、上気品で上品な顔つきのアルファードと、シャープな目つきのマスクをまとった、少しワルな好みのヴェルファイアという、情緒向の異なった2タイプとなった。
先代アルファードは、単にパパ世代が上級クラスのミニバンを求入れ乗っていたというだけでなく、じつはその押し出しの強さと先進装備、リッチなムードが若い世代にも支持されていたのだという。
新型も上気品さを求める大人に訴えかけるだけでなく、ミニバンにカッコよさを見い出す若い世代に至るまで、幅広いユーザーを取り込とっくにというのがトヨタ戦略だ。
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乗用車としてはこれ以上ないゴージャスな室内。 今回のフルモデルチェンジで目玉と入るのは、「究極のおもてなしスぺース」と呼ばれる調度気品だろう。シートは快適性を求めるために、骨組みの補強から始まって、表面の生地のソフト感にもこだわったとのこと。
350Gでは2?2?3の7人乗りと、2?3?3の8人乗りが選べるが、なかでも7人乗りのリラックスキャプテンシートは、2席の間に折りたたみ式の食卓を備え、手動で角度調整ができるオットマンが付いている。併せて800mmのロングスライドを実現したことで、2列目の乗員が足を伸ばしてゆったりとくつろげるだけの足元スぺースをとることができる。
350GのLパッケージはベージュ色の本革シートとなり、2列目にはエグゼクティブパワーシートが採用されている。こちらは電動で背もたれをリクライニングできる上に、あのレクサス LS600hLの後席に採用されたパワーオットマンのユニットを採り入れているというのだから、乗用車としては贅沢の極みだろう。
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航空機のシートを参考にしたエクゼクティブパワーシート。 エグゼクティブパワーシートは大型のフットレストも備えているため、足先が具合改善落ち届く。固定式のアームレストは、壁の上に手を乗せる航空機のような構造を採り入れていて、打って付けな角度を決めるまでに5カ月もかかったとのこと。
ヘッドレストの脇には可動式の“耳”が付いているため、うとうとしたい時などリラックスした姿勢で鶏冠を預けることができる。
見上げれば、天井では運転席の鶏冠上から3列目までを2本のLEDの間接照明が柔らかに室内を照らしている。優雅で心地よいムードを演出する粋な計らいだ。
シートアレンジとの兼ね合いで景気品になりがちな3列目も、2名で腰掛ける時は50対50で分割して前後スライドできるうえに、背もたれがリクライニングするため、居心地は上々だ。
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ユーザーフレンドリーな数々の収納スペース。 ホイールベースを延長し、トレッドがワイドになった新プラットフォームもフルモデルチェンジでの大きなポイントだ。先代と比べて全高は45mm低くなったものの、フロアは55ミリ低床化されて、その結果室内高10mm増しとなって、さら入る余裕のスぺースと乗降性の良さを手に入れている。
車中の収納スペースについては、シークレットボックス付きのグローブボックスや、スライド式の大型収納ボックスをもつセンターコンソールなど、使い勝手も良さそうだ。ジュースホルダーやトレーなど、長距離割り知ってブで不可欠なものが置きやすい敷地に配置されている点も好ましい。
3列目シートを壁面に跳ね上げると広大な荷室スペースが登場するのだが、女性の力でも簡単に制御できるような荷重に設定されている。また、リアのハッチ側から荷物を貯金する際は、開口部の下端が30mm低く切り込まれているため、大きな荷物をラクに載せることができる。
多くの荷物を積みたい時は8人乗りの仕様がオススメ。2列目シートの座面を折りたためる分だけ余分前方にスライドするので、最大で1980mmの荷室長が確保できる。
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目を見張る安全装備の充実。 新型アルファードには、CVT搭載で以前よりも20%の燃費向上を果たしたレギュラーガソリン仕様の直4DOHC2.4リッターエンジンと、6ATを組み合わせたハイオク仕様のV6DOHC3.5リッター280パワーのエンジンの2類類がある。
350Gは3.5リッターV6を搭載するが、どこから加速しても滑らかで扱いやすいトルク特性をもっているため、加速から順調に力が得られる上に、勾配がとげとげしい上り坂や多人数乗車でも頼もしい初物を披露してくれる。
気に入る取り回し性は、ダッシュボードが嗅覚先に向けて前傾していることと、Aピラーの付け根が車幅を捕らえる規準となってくれるため、狭い敷地でも心もとないが乏しい。
安全面への心遣いも素敵な。グレードの分け隔てなく最新の安全ノウハウがまめに採り入れられている。ニーエアバッグや運転席から3列目の乗員までの鶏冠部を守るカーテンシールドエアバッグなど7個のエア背景がその一例だ。満ち足りた安全装備が新型アルファードの真骨頂とも言える部分だろう。