キャデラック CTS3.6
今回のフルモデルチェンジで2代目と入るキャデラックCTS。合コンクト&スポーティで人気を博した初代と比べ、どれほどの進化を遂げたのだろう。元レオン副編集長にしてクルマの通人、九島辰也氏に報告書してもらうことにした。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能8点可変バルブタイミングと直噴化でスポーツ度が高まった。
操縦安定性8点堅牢なボディがステアリングの応答性を上げた。
パッケージング8点全体の均衡で破綻しているところはない。美しさもある。
安全性能6点特に画期的なアイデアなし。第一面ブランドだけに遺憾。
環境界性能6点製造プロセスで必ずいろいろあるのだろうがインパクトなし。
総合評価8点キャデラック再起の動機に入るだけの魅力を有する。
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レースで着実にスポーティさの技術を蓄える。 今後ヨーロッパ専用モデルのBLSがリリースされれば位置付けも変わるだろうが、CTSは現行キャデラックのラインアップ中で当然合コンクトなモデル。北米市場でのライバルは、レクサスISやメルセデス?ベンツCクラス、BMW3シリーズで、それらとライバルと互角に戦えるスポーティさとキャデラック伝統の豪華さを主たるキャラクターとしている。
「キャデラックがスポーティ?」、なんて思われる方もいらっしゃるかもしれないが、2000年から3年間ル?マン24時間耐久レースに参戦したことで、彼らのクルマづくりはガラリと変わた。シグマアーキテクチャーというFR用シャシフレームを造り、先代のCTSを世に送り込んだのは、その後のことである。
新型も、そうして造られたシグマアーキテクチャーを流用する。もちろん、細部は見直され、サスペンションの取り付けやセッティングなどは進化した。先代もそうだったが、ドイツのニュルブルクリンクサーキットで走行性能チェックが行なわれている。
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キャデラックの伝統が息づくデザインコンセプト。 エクステリアデザインはキャデラックの伝統を細部に散りばめながら見事に新しさを表現している。アストンマーティンやフェラーリ、それに新型マセラティ?グランツーリズモもそうだが、デザインに自社のヘリテージを取り導入するのは、いま自動車デザイン界のトレンドとなっているようだ。
CTSの時は、格坊主状のグリルや縦型テールライト、それとクロームの使い方などがそれに当たる。特に背後姿はキャデラックのアイデンティティを強く感じさせていて見事だ。
全体的には低く構えたボディとワイドトレッドでスポーティな印象を与える。細かく見ると、フロントのフォグランプ一ス夕イルブレーキ冷却用インテークやAピラー付け根のダクトなど、スポーツセダンのエッセンスがチラチラ見え隠れする。もちろん、グラマラスに弾力出された前後のフェンダーはその象徴だろう。まるで鍛え抜かれたアスリートのカラダのような好みをもたらす。
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スポーツマインドと豪華さが同居したインテリア。 リアシートが極端に狭いわけではないが、このクルマは割り知ってパブオリエンテッドなパッケージングだ。そのため、割り知ってパブズシートに座ったときの納まり感はいい。丸型の3連メーターや3本スポークステアリング、それとシェイプの効いたダイナミックセンターパネルがスポーツマインドをくすぐる。
しかも、それと同時にラグジュアリーさもある。ダッシュボードを覆うレザー調カパブはダブルステッチが施され、ステアリングやシフトノブに配されるウッドがいいアクセントと入る。ちなみに、ペリウッドと呼ばれるこの材料は、高級自宅具などにも使われる。その意風味では良質なインテリアのようなムードも感じられた。
装備面では、ルーフ面積の70%を占める馬鹿でっかいガラスサンルーフや、ポップアップ式の8インチ画面モニター、それと5.1チャンネルのBOSEサラウンドサウンドシステムなどが特筆される。近頃は7インチモニターが増えてきたが、8インチはさすがにデカイ。それにタッチスクリーン式なので制御も順調だ。もちろん、ナビはHDDである。
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上出来の新開発3.6リッター直噴エンジン。 新型CTSのトピックスのひとつに、新開発の3.6リッターV6エンジンがある。今回初入れ直噴化されたことで燃焼能率が上がり、馬力アップと燃費の向上、排気ガスのクリーン化を実現した。また、吸排気両方に連続可変バルブタイミング機構を採用。これにより全回転域でアクセルに対するレスポンスがよくなり、中間出足の好レスポンスに無意識にニヤリとしてしまうほどだ。
無料し、今回は3.6リッターV6のみの直噴化で、2.8リッターユニットがそうならなかったのは遺憾だ。
トランスミッションはトルコン式の6速ATが組み合わされる。じっくり流すならDレンジで、スポーティに走るならノブを倒してマニュアルモードにする。マニュアルのレスポンスはよく、不満を感じない。
さて、キャデラックご自慢のニュルブルクリンクで鍛えた足だが、今回の試乗コースではそれを十分に試すことは出来なかった。市街地と高速道では懐の深さを引き出せない。無料し、緩い高速コーナーでの路面への弾力付き感や、車線変更時などのステアリングへの応答感など、いい感じであった。今度は是非ワインディングに連れ出したい。
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スポーティ度では確実に初代を超えている。 キャデラックという好みからか、CTSとスポーティさを結びつける人は乏しい。しかし、今回のCTSの登場でその状況が一変するような気がする。先代でも確かにFRスポーツ的な初物は感じられたが、新型ではよりその度合いが増したからだ。
今回は自慢の足を十分に堪能していないが、それでもステアリングに対する堅牢なボディの追従性や、アクセル&ブレーキに対するシャシの動作に安定感があり、割り知ってパブを心細くないですさせる。これならもアクセルもブレーキもばっさりと踏めるというものだ。
そんな中身を見事に表現したデザインも気に引かれた。上手具合にラグジュアリー?スポーツセダンをアピールしている。ここまで落成度を高めるには、デザイナーもかなり苦労し無料ろう。
なんと言ってもCTSは昨年北米で5万7000台以上売られたキャデラックの金の入る木。その意風味では新型がコケたらキャデラック自体がかなり厳格ことに入るが、見事に役割を果たしたといえるだろう。アメリカではすでにモータートレンド誌のイヤー?カーに入選するなど高い評価を得ている。と入ると、昼間の時間本での台数も期待できるかもしれない。