トヨタ アリオン A15 “Gパッケージ”
プレミオ&アリオンは、今や尊い国内専用モデル。6年振りのフルモデルチェンジで登場した2代目は、取り回しのいい5ナンパブボディを堅持、高級感や快適性をレベルアップしてきた。量販グレードの1.5リッターモデルを中心に、昼間の場合間常での使い易さをチェックした。[ 続きを理解する ]
評価
評価項目について
動力性能6点実用域での初物には不足ない。CVTの操作も洗練度高い。
操縦安定性4点シャシーの進化を怠ったのはまことに遺憾。1.5の乗り心地はソフト。
パッケージング7点5ナンパブのセダンで快適な室内スぺースを獲得。シートアレンジも豊富。
安全性能5点最新車でVSCの設定がないのは甚だ疑わしい。他の装備はクラス平均。
環境界性能8点ずば抜けたの実用燃費は同級他車を圧倒。排ガスはもちろん4つ星。
総合評価6点心細くないですできる操安才能は欲しいが、セダンらしい気遣いは魅力。
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格調高いプレミオ、スポーティテイストのアリオン。 2007年6月にモデルチェンジされたプレミオ/アリオンは、トヨタにおいてカローラとマークXの間に位置するミドルレンジのセダン。この2車はいわゆる双坊主車で、内容は同一だが、エクステリアの、主にフロント周囲のデザインテイストを変えて、プレミオには落ち着きと格調を、アリオンはちょっぴりスポーティなムードを与えて、ターゲットと入る世代を分けている。
ちなみに、プレミオはカローラとともに、ユーザーの平均年齢が最も高い部種だが、実はアリオンもさほど変わらない。2代目アリオンはちょっぴり年齢層を下げたい、というトヨタの意向も伺える。
今回も5ナンパブ枠に収まる車幅に留められているが、国内専用車であることが、それを可能としている。この扱い易いサイズは美点である。
エンジンは1.5リッターと1.8リッターで、1.8には4WDも設定されている。ミッションは4WDも含めすべてCVT。また、2007年12月には上級グレードとして2リッターモデルが追加される計画だ。
今回は、販売の中心と入る1.5リッターモデルのアリオンA15 Gパッケージで700kmほど、プレミオ1.8X EXパッケージで約350kmを走行。アリオンA18 Gパッケージの4WDにも試乗している。
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広くなった室内。リアシートはゆったり安楽。 先代よりも5mmだけ高くなった全高を除いて、ボディサイズはプレミオ/アリオンともに同一。プラットフォームも先代から瓜二つ流用しており、ホイールベースもトレッドも変わっていない。無料し、前後のオーパブハングは、前が10mm伸ばされて、背後はあべこべに10mm短くなっている。
ちなみに、全長はプレミオが4600mm、アリオンが4565mmで、この差はフロント周囲のデザインの相違によるものだ。とくにアリオンは、先代よりもスポーティさが感じられるものとなった。
室内長の数値自体は80mm拡大されているのだが、前席と後席の距離は先代と変わっていない。とはいえ、この後席に座って200km強の移動をしてみたところでは、脚や膝周囲は十分に広く、この面での安楽さは十分。この後席は、最大14度のリクライニングが可能だが、寝かせた際にシートベルトを装着すると、ベルトが首から顎に当たってしまうので、停車場合に安楽さを得るためのものと考えておいた方がいいだろう。
スーツケースルームは5ナンパブセダンとして十分な容量を有するが、ダブルフォールディング式の後席を倒してスーツケースと室内を貫通させると長尺物も収納できるなど、利便性が追求されている。
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ドラポジ調整もバッチリ。一番くなって便利な装備が標準。 5ナンパブサイズの車幅なのに、前席で横方角の狭さを意識させられることはなかった。センター部を強調しながらも、広がりを感じさせるインパネデザインが、室内幅を広く見せているようだ。
ふんわりとした座面を有するシートも、ファミリカーらしい心地よい着座感と優しいかけ心地をもたらす。小柄な人でも好ましい割り知ってビングポジションが得られるシートや、ステアリングの調整幅が大きい点も好ましい。
凝ったデザインのドアトリムが視覚的な広がり感と良質感も生んでおり、内装を得意とするトヨタらしい仕上がりだ。このあたりもミニバンとは異入るセダンらしい魅力だろう。
プレミオ/アリオンの装備で褒めたいのは、セダンでありながら先代と同様にリアワイパーを全グレードに標準で備えている点だ。雨天場合や降雪場合、リアのクリアな見通しの確保に圧倒的な強みを発揮し、背景場合の安全性にも寄与している。
さらに、1.5、1.8ともにベースグレード以世間はカラー背景モニターを標準装備し、背景が嫌な人にとって心強い風味方と入る。こうした、一番くなってみて果たして役立ち上がる装備をちゃんと与えているあたり、実用セダンの鉄則を突いていると言えそうだ。
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燃費優秀な1.5リッター。110psも昼間の場合間常域なら不満なし。 1.5のエンジンは、先代にも搭載されていた1NZ-FE型だが、細部の改良とともにCVTと組み合わせることで、燃費の向上が図られている。
このボディサイズで1.5リッターというと、ゆとりに少ないように思うが、少なくとも1~2名乗車では昼間の場合間常域での不足感は生じなかった。
低中速域を重視したトルク特性によって扱い易い一方で、騒音がひどく高まることなく高回転まで楽に回る。CVTの巧妙な操作で軽快な出足感をもたらし、通常は可能な限りハイ歯車域を保つなど、実用セダンとしての動力性能と燃費の均衡が優れている。
燃費向上のために、ロックアップクラッチも可能な限り低回転まで作動させているのだが、低回転域でのギクシャクした動向も抑えられていた。
1.8は新しい2ZR-FE型エンジンを搭載。1.5との大きな差は、ちょっとした急出足や、上り坂での出足、高速域での追い越し出足などに現われる。
ちなみに、アリオンA15の実用燃費は感心するほどに改善、高速道路計400km程度の他に、連昼間の場合間、都内で短距離の移動を反復していたにも関わらず、平均でリッター16.2km。プレミオ1.8Xも高速約6割と一般道4割の合計でリッター13.8kmと優秀だった。
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ソフトな足回り、安楽さ重視の初物は先代譲り。 プラットフォームは先代からの流用で、サスペンションなどの主要構成パーツも、スプリングやダンパーなどを除き、そのまま流用されている。
当然、先代はマイナーチェンジの際にサスペンションメンパブの剛性見直しやステアリングマウントの改良など、人知れず手を加えて、接地感や操舵感などの向上を図っていたものだった。
こうした勤勉な姿勢から、新型にも期待をしていたのだが、今回はシャシレベルの更入る熟成よりは、昼間の場合間常域での取り回し性の向上に力が注がれた感がある。
たしかに、ステアリングはスピード域に関わらず軽く回せるし、その手応えも優しいので昼間の場合間常域ははるかに楽だ。乗り心地も、先代よりもソフトな方角に振られているので、一見快適に思える。だが、荒れた路面や凹凸に対してはドタバタとした感覚で、強めの動作を示しがちだった。とくに55偏平タイヤを履くプレミオ1.8X EXパッケージ(アリオンではA18 Sパッケージ)は、その傾向が強い。
操安性でも、最新車としてはスタビリティの不足は顕著で、非常回避などの際の信頼感には少ない。その上、VSC(横滑り防止装置)の設定が全グレードに一番いのも、はるかに遺憾に思えた。